「問題解決のために、そもそも何が必要なのでしょうか。世間ではロジカルシンキングや、抽象と具体がもてはやされますが、手段に思えてしまいしっくり来ないです。メタ的ですが、解決策はあるのでしょうか。」
問題解決はシンプルで、「情報を集め尽くせ!」の一言に尽きます。
集め尽くそうと動く過程で、面白がったりショックを受けたりして、ありのままの事実を認めればいいのです。
「そんなの当たり前じゃないの!」
「わかってるわい!」
という考えの方に向けて、少しずつ明確にしますね。
「情報を集め尽くしました!」の99.99%は、「知ってるつもり」です。
「集め尽くす」とは、ものごとを徹底的に網羅・分類してしまうことです。
ここでは「パン」を例に挙げてみましょうか。
・パンの種類は?(食パン、バターロール、デニッシュ、菓子パン…)
・パンに使う粉は?(強力粉、全粒粉、ライ麦粉、米粉…)
・パンに使うイーストは?(生イースト、ドライイースト…)
・パンに使う乳製品は?(牛乳、バター、生クリーム、コンデンスミルク、脱脂粉乳、使用しない…)
・ほかに必ず使う材料は?(水、塩…)
・ほかに使う場合のある材料は?(チョコチップ、カスタードクリーム、クッキー生地…)
・パンに使う焼き窯は?(ガスオーブン、オーブンレンジ、コンベクションオーブン…)
・そもそも誰がパンを作る?(自分、家族、ご近所さん、近所のパン屋さん、大手パン工場…)
・好きなパンは何か?
・嫌いなパンは何か?
・誰の作ったパンが食べたいか?
・そもそも本当にパンでいいのか?
・パンを作っていて楽しいか?
・パンを作ることにストレスは感じないか?
…
などなど、無数に出てきますね。
「えっ、こんな所までわざわざ分類するの!」
という部分まで出し尽くすんです。
集め尽くすとは、こういうことなんです。
どんな些細なことも、ありえない極論も含めるんです。
これはプロであれば、ついつい集め尽くしてしまうレベルのはずです。
こういった一連の流れを仕組み化したものを、「オントロジー」と呼びます。
これがちゃんと揃っていると、「何が確からしいか、誤っているか」が見えて来ます。
正誤判断がつけば、上達やレベルアップの基準がわかります。
何かに上達したとき、あなたはどう感じるでしょうか?
・自転車に乗れた
・楽器の腕前が上達した
・英語で論文が書けるようになった
・数式が使いこなせるようになった
この場合、初めてのときに比べたら、「行動しやすい」のは明らかです。
「行動しやすい」のは、必要な物事や動作が見えているからです。
次に何をすべきかが見えているから、できないわけがない。
次が見えないとき、どうしても辛いですよね。
だからこそ、まずはひたすら集める。
かといって無理はしない。
面白がれるものを集める。
面白くないものを避ける。
面白がった先に、「よっしゃ集めてやろう!」という行動が出る。
たったそれだけでいいんです。
現実解。
なんでも「がんばる」は疲れてしまいますから、息抜きに調べ尽くせる物事を見つけてはどうでしょうか。
試行錯誤を、ただの錯誤に終わらせない、シンプルなサイクルに徹することがコツです。
ボックスコックスネット、遠藤武。