世界史の教科書や、クラシック音楽を通じ、高校生の時に驚愕した思い出がある。
ドイツで成立した民衆本の『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』と、
フランスの医師・作家フランソワ・ラブレーが著した『ガルガンチュワ物語』だ。
中世後期からルネサンス期に成立した本(うち1つは19世紀末の交響詩)である。
その内容は、20世紀以降でなぞらえれば『天才バカボン』や『クレヨンしんちゃん』のような、とうに世代を超えたギャグ漫画より強烈だと言っていい。
これが「教養」として教科書に載っていることが不思議なくらい、ユーモアと言うには汚すぎる下品さで満たされている。
現実解。
教養と聞くと、一見お高くとまっているように聞こえる。
いっぽう、これらはかつて上役や権力の目を盗み、それこそ命がけで書き通された経緯がある。
教養として息づいているのは、一世を風靡した事実が今も語り継がれているからだ。
本気でその時代の人々の溜飲を下げるために書かれたものが、退屈なわけがない。
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遠藤武