中央経済社さんのnote第2回が公開されました。
ここだけ話をしちゃいます。
データ分析のキャリアには複数の属性があると書きました。
現実的には、無理にデータ分析オンリーキャリアを目指すよりも、「自分の得意技に、データを使う属性を掛け算していく」ほうが幸せになれる仕組みです。
そもそも、分析は、誰もが仕事でやっていることです。
データ分析職だけが、分析の担い手ではありません。
まずは分析で「勝ちにいく」ことを考えるほうが、面白くなります。
分析とは、仕組み化された既存の物事を斧で叩っ切って、一握ずつの個別の変化を観ることです(分析をもとに変化を作り実行することもあります)。
仕組み化とは、バラバラした変化の動向を足し合わせ(あるいは掛け算として束ね)、大河の流れという全体像に整頓することです。
すると、「分析は仕組み化の逆」「仕組み化は分析の逆」とわかるはずです。
(これはちょうど、微分[点の状態の変化率を観る]と積分[点を合成した面積や体積]の関係と同じです。)
難しく考えることはありません。
仕事とは、変化づくりと全体像づくりから、価値を生み出すことです。
優秀な法律家は、優れた契約書を用いて、取引の全体像にかかわるリスクをピン留めできます。また、取引がもたらすプラスの価値を、契約書で確実に表現できます。そうすれば、優れた契約書があることで、大きな変化が生まれます。
分析すると、変化の動向がわかります。動向を束ねると、全体の仕組みがわかります。つまるところ、ビジネスや仕事はそうやって成り立っているのです。
現実解。
「データを使う属性」を「ふだん仕事での分析や全体像」に掛け算してしまえばよいのです。
いま法律家として活躍しているなら、契約書やミーティングのデジタル化など、データのやり取りだけで済むような仕組みに仕立ててしまう。
いま医療関係に携わっているなら、統計言語やプログラミング言語を使えるようになりつつ、データ分析で喜ばれる仕組みを作れるようになってしまう。
いまエンジニアをやっているなら、ものつくり領域だけでなく、経理やSCMやマーケティングや統計学まで使う側に周り、全体像をカバーできる側になってしまう。
いま統計家をやっているなら、管理会計やDXやその近所のコンサルティング領域にまで踏み込んで、個別も全体像も通じてしまう。
追記。
データ分析一本槍だと、限界があります。
いっぽう、普段の仕事と掛け算してしまえば、思わぬ変化や全体像が作れてしまいます。
まだまだ、このような発想が通用します。
それだけカオスであり、そして異分野で実力がある人にとって、参入しがいがある分野です。
boxcox.net、遠藤武。