「医師になります!」
「弁護士になります!」
「外資コンサルに行きます!」
「配信者になります!」
そのような「模範解答キャリア」に飛びつく人は後を絶たない。
反面、これでしんどい思いをする人は、少なくない。
模範解答キャリアは、あくまで相対的な価値どまりだからだ。
(素朴な疑問)模範解答キャリアを退屈を感じる人や、不利を強いられたり、しんどい思いをする人は、そもそも何をすればよいか?
これを分析してみよう。
模範解答とは、自分以外の他人が作ったものである。
既存のデータが存在する常識と呼んでいい。これには基礎知識としての価値がある。どのような掟破りの暴君も、文法という基礎知識の法を破っては、意思疎通ができない。
とはいえキャリアでは、模範解答だけだと、息がつまってしまう。
とすると、模範解答から離れたボケ解答がキャリアで大事になる。
クイズ番組でお笑い芸人が誤答する姿を想像して欲しい。うまいボケ方をしている人は、記憶に残る。キャリアにも同じことが言え、そこに価値が残るのである。
また、ボケ解答とは、自分で創り上げるものである。ニッチを攻めてもいいし、思いっきり外してもいい。
瞬発的に「面白い!」と言わせてしまうボケ方には、既存のデータなど一切ない。自分で異分野のデータや事例を集め、既存の知識と照らし、そのスキを突いて価値を創るのである。ただ単に掟破りというだけの常識知らずには、これは絶対にできない。
キャリアでのボケ解答の例を挙げよう。
テクノロジーを技術者や専門家として作らされる生き方は「使い走り」だと気づいてしまったなら、他の領域と組み合わせ、データ分析やデジタルアートのような分野にシフトしていい。
科学技術分野で研究者を目指したものの、うまくいかなかったなら、サイエンスライターという道もある。
メディアに関わることを目指していた人が、格式高い出版社で編集者に就いたケースを知っているが、硬派な分野から入ったほうがかえってメディア業界で目立てる。
自分の場合、データ分析のキャリアは「ニッチを突ける上に、統計学をそのまま活かせるから、勝てる」と感じたのが始まりだ。その延長線上で、別なキャリアも得ることができた。
そうやって、スキマを徹底的に埋め尽くす。興味関心から好き放題学び尽くす。負けそうなら無理に踏み込まない。そうやっていると、いい具合に方向性もでき、かつデタラメという独自性も得られる。
突出している人が、独特の仕事のルーティーンを持っているのは、それだけ中身に独自性があるからだ。
キャリアを進めるための、最低限の視点を挙げておく。
「売上-経費=利益」
「キャリアとは、売上(賃金を含んでよい)を、有利な形で上げること」
「有利とは、嫌なことを断ることに経費を使う自由や、経費で時間を買う自由があり、自分の得意技で突出できること」
の3つを意識しておこう。
どれくらい気分良く、売上と利益と時間が出せるかを「成長」の軸にすればいいのである。
レールから外れたとしても、そのように成長できれば、何も困ることはない。
現実解。
キャリアでしんどい思いをしたら、自分のボケ解答を正答にしてしまおう。
模範解答キャリアからはずれて「間違っている!」と言われても、職務経歴書が汚くても、「欲しい!」と言われれば、そこには絶対的な価値がある。
ボケ解答キャリアとは、苦手から離れたり、異分野から学ぶ、絶対的な価値。
boxcox.net、遠藤武。