FP&Aでもマーケティングでもいいが、
データ分析キャリアに最も重要な目線は、
「資本効率を良くするポジションにつくこと」である。
単にデータを可視化するだけでは、付加価値が低い。
単に予測やAIのモデルを制作するだけでは、代行業だ。
そうではなく、データを用いて資本効率を良くするための意思決定を下し、
組織の行動を変化させるまでが、データ分析なのである。
資本効率とは、要はヒト・モノ・お金・情報と、その組み合わせである組織が、
効率的かつ健全にキャッシュフローを稼ぎ出すことである。
私が「仕組み化」の重要性を強調するのは、
ストラクチャードファイナンス(仕組み金融)に起因しており、
「仕組み=必要な物事や関係者の実力を借りて望ましい状況を作る」という意味である。
既存の延長線上にない発想や組み合わせで、勝ちパターンの事例を活用し、
仕組みに乗せて資本効率を向上させ、キャッシュフローを増やしていくのだ。
つまるところ、データ分析のポジションとは、既存の延長線上では成り立たない発想を、
定性的または定量的に検証し、その上で意思決定していくということである。
単なる分析のオペレーションを回すだけでは不足しており、
既成概念だけではどうにもならない着想や、そもそもの本音や、
あるいは妄想を大事にする必要がある。
現実解。
資本効率は、そもそも妄想と行動を掛け算していくことでしか、よくならない。
データ分析は、単に会社のデータベースに自動的に溜め込まれるデータを分析すればいいという訳ではなく、
時流や組織のMVVといった、人間の本音と共感というデータによる裏付けこそ重要なのだ。
本音に即した商品が売れて、本音を共有する組織が強固になって、初めて資本効率がよくなると、覚えておこう。
boxcox.net、遠藤武。