色々と知れ渡って来ているから、明確にしてしまおう。
データ分析キャリアは、基本的な統計学を理解して使いこなす基礎があれば、
研究でもビジネスでも、あちこちの分野に持ち運びが可能だ。
私が世話になった、大学の先輩でもあるリサーチアナリストの師匠は、国立研究開発法人(病院を併設)で心理学の研究職を経て、
世界トップの外資ITリサーチファームに転じ、そこから出世している。
私は大学在学中に「これだ!リサーチを通じて研究とテクノロジーと執筆を掛け算できる!」と気づいた。
ほどなくして、偶然にもリサーチアナリストとしてキャリアを歩むことができ、誰もが知る錚々たる大手企業のクライアントに向けて洞察を執筆していた。
関係者にヒアリングし、実態経済の動きを捕まえ、時に金融市場からの影響も加味して統計予測を行うという、とても格式のある仕事だった。
統計モデリングと財務モデリングを構築・開発し、論文発行元のビッグクライアントから協力を受け、
プロダクトを作り上げて経営に寄与する新規事業を立ち上げることができた。
この間「オペレーションズ・リサーチ(OR)」や「土木計画論」という分野を軸にしていた。
そのおかげで外資のFP&Aというとても立場の高い分野にもあっさり移れてしまった。
独立したのは偶然だが、当初からいわゆるコンサルティングの立場をはるか上から眺める立場で仕事を受任し、
その間に独自のプロダクトとして「仕組み化」を立ち上げ、自由時間も年収も右肩上がりになった。
今だからここだけの話をしておくと、外資もFP&Aもコンサルティングも、
統計学というアカデミックスキルや事業立ち上げから見れば、すべてあっさりカバーできてしまう。
リサーチアナリストが、そのような構造の仕事だからだ。
多変量解析(統計モデリング)を理解して使いこなし、忌憚なく洞察できるアカデミックスキルがあれば、財務モデリングやFP&Aはさほど難しくはない。
また、外資の戦略コンサルティングファーム出身者はあまり気づいていないようだが、コンサルティングもこれと同様である。
現実解。
データ分析は、大学や大学院の数学・数理科学や統計学や工学分野でやっていることの応用だ。
それができる組織やポジションに属してしまえば、あっさり持ち運び可能な形で、自分独自の分野を育てることができる。
追記。
いわゆる「就職」も「新規事業立ち上げ」「研究職」も、データ分析で括れる分野から抽象度を上げて持ち運びすると、工夫次第で格式を保ったまま自由に動ける。
データ分析の主軸である統計学が、研究という格式も付加価値も極めて高い分野に紐づくためだ。
入試や就職はとても大事なことではあるが、一定以上の基礎があれば、それらと一線を画してしまう。
boxcox.net、遠藤武。