ストレートに言ってしまうと、
いくら実力があっても格式が足りないと、
やすやすと新規参入できない分野が存在する。
あるいは何とかやっとの思いで新規参入したとしても、
「うわ、こんな輩がやってるなんて、信用できない!」
と言われてしまう。
大枠を言うと、
・医療系・製薬系
・数学や統計学を用いる分野
・規模の大きい金融・コンサルティング
が格式が必要な分野だ。
率直に言って、明確に貴賤がある分野だと結論づける他ない。
まず医療系・製薬系は、半端者が関わると、一発で「ニセ医療」「ぼったくり」のように思われてしまう。
要は毛並みの良さと知恵が全てということだ。
そもそも医療も薬も、知恵と資本の塊であり、単に健康に訓示を垂れる程度では成立しない。
そして規制も多く、人の生き死にに関わる分野であるゆえ、頭の良い人とお金が集まり、閉鎖的にならざるを得ないのだ。
私がFP&Aで関わったことのある製薬業界は、一度でも製薬業に足を踏み入れ、
流儀を知っておけば、少なくともまた関わることはそれほど難しくはない。
とはいえ、一度まともに関わるためのハードルがそもそもかなり高いのだが。
発展してきた経緯から言って、当然のことかもしれない。
数学や統計学を用いるデータドリブンの分野は、単に毛並みが良いというよりは、理解する上である程度以上の知的水準が必要という特徴がある。
高校レベルの理系数学は当たり前に必要であり、大学レベルの微積分・線形代数が当たり前のように使いこなせる必要がある。
実際に関わっていた立場として言うと、物理学や工学から援用した概念をモデリングで用いることなど多々ある。
これはその辺のシステムエンジニアやウェブ屋では無理だ。
データが何千万件あっても何億件あっても、なんとなく儲かりそうというだけでは排除されてしまうのである。
規模の大きい金融やコンサルティングは、医療や統計学と同じくらい、格式が加わる。
目先のお金しか基準がない三流は足を踏み入れられない。
しかもそういう三流ほど、半端な額止まりであり、ただ営業成績を競うしかできないところまでがお決まりのパターンだ。
私が経験した船舶投資は、大航海時代から連綿と続いている分野であるためか、毛並みの良さが際立っていた。
1隻あたりの価額も20〜200億円とかなり高額であり、これを複数保有できるシップオーナーは相当の富豪だ(日本では愛媛の今治が有名である)。
これは「金融マン」という言葉にありがちな営業やら激務とは別次元の世界である。
トータルで見ると、これらの毛並みの良い分野に「儲かりそう」と不用意に踏み込むと、しっぺ返しを喰らうという実情を強調しておこう。
現実解。
普通の人はこれらを避け、他に楽勝できる分野に特化したほうがよい。
追記。
逆に言うと、これらに関わった人はもっとアグレッシブに発想して、楽勝できる分野を創るべきだ。
サラリーマンの延長のような生き方しかしない人ばかりだから、チャンスはたくさんある。
boxcox.net、遠藤武。