未来予測が当たらないのは、
・未来の本音に対する大局観や洞察が甘い
・そのせいで予測のシナリオが実態から外れる
というためである。
いくらデータを集めても、そもそもそういう競技種目だと覚えておこう。
未来は、本音をベースについつい動いたり湧き出たり移り変わる物事である。
予測は、今見えているデータや事実を組み合わせて傾向を読み取り、推論することである。
要は、未来への本音が移り変わるものであり、そのため予測で読み取った推論のシナリオが変わってしまえば、そもそも未来予測の前提が消えてしまうのだ。
大局観が甘いと、シナリオがブレるのも無理はない。
自分がアナリストになったばかりのとき「大局観を持つとよい。すると思いのほか予測が当たってしまうんだよね」と、大学在学中から世話になったアナリストの師匠に、本音で教わった。
自分の大学の先輩でもある師匠は、国の研究機関で臨床から統計学やデータ分析までを研究領域として担っていた。
自分が大学生のとき知り合った時点でアナリスト数年目だったが、今は出世して地位を築いている。
未来予測の掘り下げ。
ストレートに言い切ると、故意にブレた大局観で煽るヘナチョコな売り方を「未来予測」として売る人がが多い。
もっともこれは「当たらない未来予測」なのだが。
こういう人は、未来が本音ベースで移り変わるという事実を曲解し、炎上商法やプロモーションで包み込むのである。
ぶっちゃけると、未来予測そのものなど一切気にしていない。
曲解を信じてしまうと、そもそも未来予測は成り立たない。
そうではなく、事実をありのまま淡々と直視すれば、傾向から未来の動向を予測し対処できる。
データだけでなく、「そうだったらいいのにな」という人間の本音が、事実としていかに動いているかを淡々と直視すれば、大局観を読み取れるのだ。
現実解。
大局観とは、誰もデータにしていないけど「あるある!」と首を縦に振ってしまう事実の集合である。
炎上や煽り含め、何がどこまで事実か、何がどこまでただの広報かを見定めれば、おのずと「当たらない未来予測」を避けることができる。
「当たらない未来予測」を、グレーゾーンを悪用してさも当たりそうなものとして売る商法についても、自ずと見分けがつくはずだ。
追記。
未来予測は、自分の本音をカタチにするために、自分から立てたり検証するものだ。
学んで知識を仕入れ、大局を検証し、自分の土俵に繋げてこその未来予測である。
追記の追記。
実務上は「データ分析を行った際、未来予測がどんな実情で外れるか?どんな事象を考慮しきれない可能性があるか?」を、事実に即して想定しておこう。
boxcox.net、遠藤武。