「経営の仕組み化と一言で表しても、いろいろな切り口があると思います。『これが王道!』と言える仕組み化に必要な材料があるとすれば、それは具体的に何ですか?」
具体的に列挙していこう。
・MVV:ミッション/ビジョン/バリュー。組織の価値観を本音ベースで言語化し、チカラを出し切る。
・仕事の委任:経営者の余裕と時間作り。組織全体にに余裕が波及するための仕組み。採用や人事評価は、仕事の委任から派生する要素である。
・コンセプトデザイン:お客様に「欲しい!」と手を挙げてもらう仕組み。MVVをコアに、カスタマーサクセス[お客様の成功]を創る。言わずもがな従業員が「こんな会社素敵!」と自己評価を高めることも含む。
・WBS:ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー(仕事の分解・構成)。ただし必ずしも厳密なものは必要ない。戦略マップや組織図なども含み、実際はWorkforce Breakdown Structuresと言っても差し支えない。
・マニュアルや手順書:MVV、コンセプトデザイン、WBSから派生してテンプレートに乗っけて、ノウハウを作る。デジタル化に伴い、単にマニュアルを作ることに留まらなくなった。
・会議と業務遂行のルール:時間設定、やらないこと/やることの峻別、次のToDoのトラッキングという仕組みを活用することもできる。
・行動分析:心理面や実情から逆算した行動の予測とふりかえり。MVVに乗せて思考と行動を重ねることがカギ。ABC分析(応用行動分析の手法)は、ToDo管理にも組み込める。
・データドリブン:FP&A、デジタル化、紙作業など非付加価値業務の削減。働き方改革から、キャッシュフロー増加までカバーする。
・分析:MVVやToDo管理や行動分析を質的変数とみなし、組織や商品の品質管理が可能である。
大枠はこのような具合だ。
「経営の仕組みの悩みは、そもそも既に解決している」と提唱する者がいる様子だ。
これはオペレーションズリサーチや行動分析学といった、根底にある仕組みの観点から見ても、明らかに正しい。
私が言う仕組み化とは、何かを改まって提唱することではなく、根底となる学問やテクノロジーの知識を組み合わせ「『世の中に流布する仕組み』を通じた仕組み化」を果たすことである。
このとき、すべての仕組み化の仕組みは、学問やテクノロジーといった具体的な知識に行き着く。
現実解。
具体的な知識に行き着くと、引用が可能となり、オープンソース化できる。
そうすれば、仕組みを広く研究開発することができるようになる。
これは自前で出来ることは自前で行い、どうしても難しいところはプロに依頼するということだ。
統計学やFP&Aのようなデータ分析から派生した考え方であり、
「仕組み化」まだまだ客観化や一般化ができる面白い分野なのである。
boxcox.net、遠藤武。