自分が本気で楽しめる物事を、継続的に取り組めれば良い。
とはいえ、それだけだと無責任なので、転職や移籍のヒント材料を出そう。
いずれあっさり辞めることを覚悟で、表面的には退屈そうな、
日本の名門企業に入ってみるのも手だ。
公務員や難関資格(医師、弁護士、公認会計士)も、
日本の名門企業と同じようなくくりで捉えておくといい。
裁量権がないと感じたら、外資企業に移るなり、
独立するなりしてしまえばいい。
それくらいの基礎がつく点で共通している。
一方で外資企業は、
裁量権の大きい分野でなければ、
ほぼメリットがない点にまず注意しよう。
高額報酬と知的生産で有名な、
外資投資銀行と外資コンサルティングファームは、
とにかくひたすらコモディティ化が進んでしまっているため、
事業を組む側に回れず、飽き飽きして出ていく人が多い。
もともと人材の流動性が高い分野だけれども。
外資IT企業やその他の外資事業会社は、
思いの外けっこう上意下達だ。
ただし、ファイナンス部門やマーケティング部門といった、
会社の数字と戦略に責任のある立場や部門は、
キャリアを桁違いに強くしてくれる。
そうでなく、裁量権のない事務職や現業職なら、
「外資」という呼び名はただのハッタリでしかない。
ただし外資は、人材の流動性の高さと、裁量権の強さから、
「腐れ縁」のような人事が生じるため、
意外と風通しが良くないケースにも気をつけよう。
裁量権の強さを知らないと、
二重の意味で損をしてしまうということだ。
資格職でも日系でも外資でも、
一つの世界しか知らず、常識を疑うことを忘れ、
同じ世界から抜け出せなくなる人が結構いる。
この事実を、頭の片隅に置いておくといい。
..遠藤武