これだ!という商品やサービスを見つける。
その商品やサービス「ならでは」の要素を、浮き彫りにする。
要素と似た仕組みを、論文や専門書で調べ尽くし、「ならでは」にぶつけてみよう。
現実解。
分解がしづらい物事や概念でも、
「どこかに必ず先行事例が存在する」
「オリジナルなど、どこにもない」
と仮説を立てて、調べてみよう。
いちばんの基礎の基礎となる考え方は、
「これ以上はシンプルにできないよね」
「これ以上は網羅し尽くせないよね」
というほどまで、まず徹底的に、
シンプル化し、調べ尽くすことだ。
これだけで、物事の共通点が見つかってくる。
次の一手が見つかって、共通点で紐付けできる。
悩みが断崖絶壁から、階段の一歩に変わる。
学問や技術として存在する物事は、
論文や専門書という形でトラッキングできる。
アカデミックスキルの基本中の基本だよ。
工学や計算機科学や数理統計学に限らず、
心理学だろうと、認知科学だろうと、
行動科学だろうと、教育学だろうと、
音楽や演劇だろうと、自己啓発だろうと、
コンサルティングやプログラミングだろうと、
本質は、実は同じところにある。
「ワイン」の注ぎ方を書くとしたら、
1.テーブルにボトルとワイングラスを置く
2.テーブルに置かれたボトルを見る
3.ボトルに向けて利き手と反対の手をのばす
4.ボトルをつかむ
5.ボトルを身体に引き寄せる
…
というように、一つ一つの動作の積み重ねを、
シンプルに網羅し尽くせる。
これは実はプログラミングや要件定義と同じだ。
すべての物事は、このように書き切ることができる。
学問として存在しているものなら、
基礎となる定義が、確実に存在している。
「ならでは」にぶつけることの意味は、
一つ一つの動作を割り出すことにある。
それが出来る人は、
自分で自分のサービスや仕組みを、
淡々と創ることができる。
ボックスコックスネットと名前を付けた理由の1つは、
「boxcox変換を用いたヘドニック法」
という統計学の手法を使ってサービスを創り、
自分の飛躍のきっかけを得たからである。
その際にやったことは、
日本銀行のエコノミストが書いた論文の読み込みと、
当時お客様だった日本銀行へのヒアリングだ。
並行して、R言語で実装する方法を調べ尽くした。
その結果出来たサービスは、飛ぶように売れた。
今でも、この過去の栄光には心底感謝している。
その先の8年間で、
5回転職・移籍したのち独立したけれど
結果的にすべての経験がプラスだった。
年収もポジションも桁違いに上がっている。
これは自分自身を文字通り変換する上で、
いいなぁと思う対象の「ならでは」に、
知見をぶつけて照らして、
自分のものにしていったからである。
常に成長し続けるには、
目先の物事をとっかかりに、
次の一手を見つけ出すに尽きる。
工学の外側でリバースエンジニアリングを行う、
この発想は、ひとつの学び方だと断言して構わない。
boxcox.net、遠藤武。