引き算。

daily6 人と技術と成長。

「やらないこと」を決めること。

あれもこれも、と足し算し過ぎると、

自分の価値が薄まってしまう。

 

現実解。

特に年売上高1〜3億円までの企業の経営者さん
(場合によっては10〜30億円規模まで)に多い現象だが、
「あれもやらねば」「これもやらねば」と、
非常に真面目に、何もかも足し算してしまい、
何もかも追いつかなくなるという状態がある。

これを打破するには、「引き算」に着目する必要がある。

真面目で実直なことは、非の打ち所がなく正しいことであるのだが、
単に正しいことを追求するだけでは、その他大勢止まりとなり、成長はおぼつかない。

サラリーマンであっても、経営者であっても、
本音ベースでの仕事は実のところ、
「もっと負担を減らしたい」とか「もっとラクに動きたい」のように、
出来るだけラクをして、工数やコストを減らすことに意味がある。

製造業に関わったことがある人なら経験があるかもしれないが、
工場や生産現場で工数の低減を行えば、報奨金がもらえることが少なくない。

これは、原価低減や工数低減が、そのまま粗利の増加に跳ね返るためだ。
企業にとって、営業成績の向上と同じくらい、喜ばしい成果だからである。

日本の製造業の場合、このような「引き算」の思考が、
非常に多く取り入れられ徹底されてきている事実は、
もはやここで語る必要もないくらいだ。

一方、事務方や営業や、その両方を司る経営では、
日本の伝統的な企業の場合、ほとんど「引き算」の思考は意識されていない。
根性主義に走ったり、やるべきでないことやめずにいたりと、
成果から逆算した発想が持てずに、やらなくても良いことに手を出し、
足し算し過ぎに邪魔され、良いところを自壊させてしまっているケースがほとんどだ。

外資企業全般を両手離しで褒め称えるつもりは毛頭ないが、
グローバルで最前線を走る外資企業では絶対にありえないほど、
生産性を上げるという工夫がなされていない事実は、素直に認める以外にない。
(更に言えば、投資銀行など毛並みの良い外資企業では、日本人と多く接する業界ほど、
「外資っぽさは全て捨てろ」「日系最大手を意識しろ」とゴリゴリ叩き込まれる習慣があり、
「外資っぽさを引き算して、日本市場に意図的に溶け込むことで、生産性を極限まで高めている」という事実があることを付け加えたい。)

経営者に限った話ではなく、サラリーマンにも言えることだが、
「引き算」でやらないことを決めてこそ、価値が研ぎ澄まされるのだ。

サラリーマンが昇進するということは、マネジメントを担うことであり、
それは「権限移譲する」「仕事を部下に任せる」ことで果たされる。
現状から引き算することで、昇進というステップが作られるのである。

経営者が成長するということは、同じくマネジメントを担うことであり、
それは「自分がいなくても仕事が回る」ことで果たされる。
現状から引き算することで、成長というステップが作られるのである。

ステップアップすることでしか、価値は研ぎ澄まされない。
その腹決めさえ出来ていれば、何を引き算していくかを、
次のToDoに盛り込むことができると考えるが、いかがだろうか。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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詳細は上記リンクを参照
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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