ワークフロー その2。

daily6 人と技術と成長。

ワークフローの本質とは、次のToDoを重ねた手順である。

仕事を行う人が、手順を見て真似して、

確実に理解できるよう、配慮されている必要がある。

 

現実解。

ワークフローとは、手順を誰でも再現出来るようにするツールだ。
平たく言えば、自家製の攻略本と言って差し支えない。
(本質はプログラミングと同じと考えればいい。)

私は好きで、普段から炭酸水をよく飲む。
炭酸水を注ぐ手順を書き表すと、
以下のように、次のToDoが組み合わさる。

達成できること:
炭酸水のボトルからグラスに、炭酸水を注ぐ

達成に必要なリソース:
炭酸水のボトル(キャップ含む)、グラス、テーブル

ワークフロー:
1.テーブルにボトルとグラスを置く
2.テーブルに置かれたボトルを見る
3.ボトルに向けて利き手と反対の手をのばす
4.ボトルを手でつかむ
5.ボトルを身体に引き寄せる
6.利き手でキャップをつかむ
7.キャップを反時計回りに回して開ける
8.キャップをテーブルに置く
9.利き手でボトルの底をつかむ
10.利き手の反対の手をボトルの側面に添える
11.テーブルに置かれたグラスを見る
12.ボトルの口をグラスに近づける
13.5秒かけてボトルを傾けてボトルの口から炭酸水を出す
14.グラスが5秒で半分満たされるペースで炭酸水を注ぐ
15.グラスが炭酸水で7割満たされたことを確認する
16.ボトルの傾きをゆっくり垂直方向に戻して注入を止める
17.ボトルを完全に垂直にしてテーブルに置く
18.ボトルを持った手を離す
19.利き手でテーブルに置かれたキャップをつかむ
20.利き手と反対の手でテーブルに置かれたボトルをつかむ
21.利き手でつかんだキャップをボトルの口に近づける
22.キャップをボトルの口に垂直にかぶせる
23.キャップを親指・人差し指・中指でつまむ
24.キャップを回して閉める
25.キャップから手を離す
26.ボトルから手を離す

このようにワークフローで説明すると、
「炭酸水をボトルからグラスに注ぐなんて、いちいちワークフローにしなくても、誰でもできるじゃないか」
という声が聞こえて来そうである。
飲み物を飲むのは日常のことであり、そう考えるのも無理はない。

しかし、これがこと日常の仕事に関する場合、どうだろうか。

事務処理のフローは、誰でも再現可能なように整備してあるだろうか。
営業プロセスは、誰でも再現可能なように整備してあるだろうか。
ワークフローを、誰がやってもわかるよう、適宜書き直しているだろうか。
それこそ小学校3〜5年生でもわかるようなレベルで、書いているだろうか。
(書きっぱなしのマニュアルほど、現場の重荷になる物事はない。)

「義務教育を理解していれば、難しい仕事だろうと、マンガを読むように誰でも出来る」
ように設定することが、ワークフローで仕組み化することの論点である。

同じ日常であるが故に「誰でもできるじゃないか」でうっかり済ませてしまったまま、「誰もできない状態」が放置されてしまうのは、組織として機能しているとは言い難い。

プログラミングを組んで自動化するということも、組織を機能させることも、
実際の仕事の動きを分析して、ワークフローを組むことなのである。

 

この本質は「出来ない側がわかる立場」かつ「お客様が喜ぶ立場」を重視することにある。

ワークフローで仕組み化してしまえば、その仕組みが企業の資産やノウハウになる。
企業をひとつの生産工場と捉えることが可能であるが、単にそれだけには留まらない。

出来ない社員が「デキた!」を誘発し、かつお客様の成果についても「デキた!」までリーチし、
好循環を創り出すことが、人間の集団である組織としての資産やノウハウとなるのである。

 

達成できる成果がワーク(機能)することまで含めたフローであれば、
人も企業も次のToDoに呼応して継続的に成長し、生き残れる率がグッと上がる。

大多数の企業は次のToDoまで手が届いていないからこそ、非常に有利に事が運ぶことは、論を待たない。

 

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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