FP&Aの権限が強いのは、その真価である「行動づくり」が中心にあるためだ。
これはデータアナリストやデータサイエンティストや、統計学だけ・IT領域だけを武器にする人との違いである。
無論FP&Aには、統計学やIT領域の素養(それに連なるAIの知見や活用)はとても有効であり、私もその恩恵にあずかっているが。
教科書通りに言えば、FP&Aには行動を作るための強い権限が与えられ「ミニ経営者」と呼ばれることがある。
私は年売上高で概ね50億・200億円・1700億円の全社FP&Aを担った背景があるが、まさにその通りだった。
主にPLとCF(とつながるBS)を分析の入り口として、全社の行動を作り、業績を伸ばして未来を拓く競技種目だと、一切合切を知った。
その権限で実行する事柄は、抜本的であり、多岐にわたる。
例えば、こんな実行が考えられる。
・前月・前年同月の差異や予実差異に基づく、体制の変更(よくある話である)
・マーケティングや営業体制の改革(これもよくある話だ)
・設備投資やIT投資や人材採用や教育投資の意思決定
・M&Aや資本・業務提携や、事業売却、そのための資金計画
程度の差はあれど、いずれも抜本的な策だ。
抜本的ではないFP&Aは、そもそもFP&Aと名乗る意味がない。
Planningもしていないし、Analysisもしていないのであれば、成長のための行動など作れないためだ。
現実解。
FP&Aは、行動してナンボ。
FP&Aに限らず、データ分析は行動してナンボである。
難しい手法の理解は大事だが、本質は行動にあると覚えておこう。
ボックスコックスネット、遠藤武。