FP&Aの権限は、果てしなく強い(その2)

データ分析ここだけ話。

「FP&Aの権限が強い」と書いたが、これはどういう意味か。

FP&A担当者の一番下っ端であるFinancial Analyst(ファイナンシャル・アナリスト)は、

「VP in SalesやVP in Operation(営業本部長や運営本部長などの管理職)より権限が上」という意味である。

ガバナンスや内部統制の観点から、 FP&A担当者は投資対効果を徹底的に見定めるためだ。

 

その延長線上で、組織再編までゼロベースで手がけるケースも出てきているが、素直にみればこれは妥当な発想である。

組織再編まで含める場合、行政学で言うPOSDCoRB(ポスドコルブ)という古典的な概念にFP&Aが行き着いたことになるためだ。

(POSDCoRBとは、アメリカの行政学者であるギューリックが作った言葉で、Planning(計画)・Organizing(組織化)Staffing(人事)・Directing(指揮)・Coordinating(調整)・Reporting(報告)・Budgeting(予算)の頭文字から取った接頭語)

これはPEファンド出資先向けのFP&Aでは、事業価値を伸ばしていく発想でやることでもあるから、何ら不思議なことではない。

 

現実解。

権限で言えば、FP&Aは数字と組織作りを掛け算できる立場であり、内部統制やガバナンスの原理原則として「権限は経営者と同じ」だと言って差し支えない。

 

追記。

これに反してしまう状況は根本的に起こり得ないが、仮に起こったらその組織は崩壊している(当該のVPはガバナンス違反でクビを切られ、経営陣はCFOの責務を飛び越えた虚偽記載や背任行為を疑われる)と評価されることになる。

 

追記の追記。

逆に言うとデータサイエンティストに元気がないのは、この仕組みに入ってこられないからである。

ボックスコックスネット、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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