分析:売上と利益がうまく作れない理由と対処法。

daily11 スモール分析。データ分析ここだけ話。daily7 仕組み化。

「なぜいいモノなのに売れず、赤字体質なのか…?」

素朴な疑問として誰も抱くはずだ。

 

分析。

売上と利益が作れず事業がうまくいかない理由は、

「そもそも客先を喜ばせる意図ゼロ」

の一点に尽きる。

 

「客先を喜ばせる意図ゼロ」とは、最低の状態である。

これで売上が立って利益が出ていたら、それは奇跡だ。自分の一次情報の範囲で言うと、この状態で売上と利益があるというのは、そもそも市場や商品に全て依存している投げやりであり、自分から「我々の価値はこれです!」という発想がゼロである。

デザイナーなら言われたものを作っているだけ(=下請け状態)であり、「既存の模範解答をぼんやり踏襲している」のである。それはそれで売上が立ってしまうのが辛いところであり、市場もターゲットもぼんやりしたまま、結果としてビビってしまい、ポジショニングが悪く、いつまで経っても客先から怒鳴られる。

弁護士や税理士などの専門家でも、一般論や模範解答をなぞるだけの代行業であれば、客先は絶対に喜ばない。契約書で先んじて守ってくれたり、税金を無理なく下げて金庫番をしてくれたりするからこそ、客先は喜ぶのである。

青雲の志がありながらも、嫌な思いをしてしまい、挙げ句の果て「自分はビジネスに向いていない…」と勘違いしてしまう、最低の状態だ。

ビジネスは最低限の読み書き算盤ができれば、あとは市場の本音と向き合えば可能なので、「向いていない」と諦めるのはとんでもない大間違いなのだが。

 

対処法4項目。

・本音:市場で楽勝する

・ターゲット:明確に定める

・価格:安売りに逃げない

・ポジショニング:高く持ち込む

要は、客先の本音を捉え、ターゲットを定め、低価格に逃げず、自社と業界のポジションを上げる姿勢を用意するのである。

(本音)客先が「欲しい!」と身を乗り出す価値を、丸ごと提供する。例えばデザイナーの場合「このデザインを活用すれば、貴社の組織全体が円滑化する」とか「営業から採用までインナーとアウターの両方でブランディングが可能になる」というような、一連の流れをサービスにしてしまう。

これは自分の得意技をコアに、確実に楽勝する形でだけ動く構造だ。消耗戦は絶対にしない。誰だって楽に勝ちたいのが本音であり、誰だって「欲しい!」と思えるものを推したいのが本音だ。本音と本音を擦り合わせれば、何より市場が生まれ、市場から愛される。

(ターゲット)その上でターゲットを、デザイナーが提供するサービスであれば、「オーナー企業の経営者(年売上高5〜10億円以上)」とか「大手企業の部門長・決裁権者」のように絞る。これらを満たさない場合は、そもそも顧客でないと区別する。「ターゲット外だけど、買ってくれるかもしれない…?」という一方的な思惑は、100%時間の無駄だ。

なお、ターゲットとなる人とのつながりが足りないのであれば、まずは本音で一緒に動いてくれる人の協力を得る。本音が捉えられれば、そこに共感が得られ、他の人の本音を呼ぶ。市場から愛されるとは、本音に敬意が乗っかる形で関係が作られるということだ。ターゲットは自分から手を上げて「欲しい!」と言ってくれる。

(価格)「え?安くすれば売れるでしょ?」と思いがちだが、これは真っ赤なウソである。というのも、本音のお困りごとを解消してくれて、それを価格の比較軸で見て「割安だ!」と思えば、必要な人は確実に買うからだ。例えばスタッフ1人を雇う金額であっても、そのおかげで全社30〜50人が効率的に動くための仕組みが手に入るなら、経営者にとっては高い買い物ではない。

小売店の事例を挙げよう。自家焙煎している美味しいコーヒー店(スペシャルティコーヒー)の場合も、お店のポリシーや世界観やフードを踏まえ、スタバより値段が高くても人は入る。

本音ベースでターゲットが定まっていれば、いいものは価格が高くとも「欲しい!」を得られる。これで利益率が高くなる。勇気を持って、現状維持せずに、楽勝ベースで価値を作りにいこう。

(ポジショニング)特に2代目3代目経営者だと、頑固になる人が多い項目かもしれない。ありがちなのが「規模は小さくてもいい」と言い出してしまう現象である。それは確かに簡単だ。しかしその状態だと、価格もターゲットも本音も甘くてよく、市場は広がらない。これを放置すると、下請けに終始し、採用できる人のレベルが甘くなり、経営の悩みはレベルが低いままである。

これに対処するために、本音に立ち返って事業や組織の目的(Purpose=パーパス)を導き出し、Mission、Vision、Valueを作り、組織にや商品に浸透させていく必要がある。

人材の質が低いのも、価格が安く利益が出づらいのも、デジタル化できないのも、ポジショニングが悪いからだと言っていい。

 

現実解。

そもそもお客様に意図して喜んでもらっていない状態は、衰退の始まり。

これを考えなくてもいい立場は、プロ失格だと覚えておこう。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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