20代は、矛盾と仲良くなると成長できる。

daily11 スモール分析。

受験を経て、教養や専門や遊びや趣味が身につき出すのが20代である。

いわゆる「若手」真っ盛りだからこそ、事実を囁いておきたい。

そもそも世の中は矛盾しており、矛盾を味方につけたもの勝ちだと。

 

20代から30代前半くらいまでは、古臭い組織や業界だと年功序列が敷かれ、明らかに割損である。

優秀な若手ほど、この事実に憤慨するだろう。

だが、ちょっと落ち着いて考えよう。

最近は企業もこの事実に気づき、若手に権限移譲をしてきている。

特に新規事業では、若手が矢面に立ったほうが、イメージが良くなるためだ。

その上、失敗が許されるという恩恵もある。

断言してよいが、この矛盾は上の世代にはない特権だと言ってよい。

究極的には、失敗から学ぶことができる人ほど、大きく成長する。

いくつ年齢を重ねようとも失敗から学べばよいいが、優秀な若手ほど挑戦し失敗しておいたほうが、圧倒的にお得である。

40代や50代で初めて失敗すると、失敗慣れしていない故に、ポッキリ折れて再起不能になりがちだからこそ、この矛盾は喜んで受け入れるとよい。

その上で、世の中に引っ掻き傷を残し、歴史を刻むのだ。

 

世の中に生きた証として、引っ掻き傷を残す気概は、失敗して「こんちくしょう!」と怨念を抱いたぶんだけ育つ。

すべて順境ならそれでよいのだが、人生には必ず逆境があり、相矛盾した物事から憤慨してでも先に進む必要があるのだ。

また、怨念と憤慨があって初めて人の心の痛みがわかり、結果として人に優しくなれるという点も、矛盾の効果だと言える。

この逆に、ロジカルに何も矛盾せずにいると「こんちくしょう!」がなくなり、全て整合性が取れていないと気がすまなくなり、やたらと態度がだけ大きくなる。

かわいげがなくなり、一発で老害化するのだ。

もう気づいている人も多いと思うが、老害とは年齢を重ねることではない。

素直さを欠いてしまったり、視野狭窄に陥ったり、かわいげがないということが根源なのだ。

ここだけの話、20代どころか10代で老害化しているケースを、自分が10代のときに数多く見た。揃いも揃って現状をいっさい疑わず、偉い人に従順な割に目下への態度だけ大きく、何が何でも矛盾を許さない。

そんな人が、生涯にわたって成長するだろうか。答えはNoだ。

少なくとも、私が関わったことのある40代や50代や60代で成長を続けて活躍している方々は、社長だろうと勤め人だろうと専門職だろうと、ものすごく素直であり、そしてチャーミングだ。

自分が20代半ば過ぎのとき、当時60代の協力者と一緒に都内の金融機関を行脚し、投資価値評価サービスを立ち上げた。

その60代の協力者は、とある最大手企業の大規模な主要部門の部長職を務めたのち、海外子会社の社長を務めた慶應卒の方だった(M&Aがなければ本社の社長になっていたかもしれない)。

業界を愛しており、古巣の最大手企業から、業界のさまざまな人まで幅広く顔が利き、最高級ホテルの鉄板焼きにも当たり前のように自分の倍近い年齢の人を交えて連れていってくれるなど、思い返せばとことん教わることだらけだった。

恥を覚悟でありのままを正直に言うと、20代当時の自分は右も左もわかっていないくせに、やたら生意気だった。

年齢が半分にも満たない当時の自分の発言を思い返すと「うわぁ、なんて失礼なことを言っているのか…」と、心底恥ずかしく思ってしまう。

にも関わらず、何も気にせず素直な目線で自分を育てようとしてくれていたことに、頭が下がる思いである。その方からすれば当たり前のことだったのかもしれないが、これは有難いことだとしか言えない矛盾だ。

今なら一点の曇りなく言える。世の中、そのような矛盾に本気で気づければ、年齢など関係なく、お互いに尊敬を軸として関わることができる。

これもまた矛盾の面白さだと断言してよい。

 

現実解。

矛盾を許容できれば、それだけ人の魅力を知ることができるし、お互い成長できる。

成長したくて背伸びするとは、そもそも等身大の自分からすれば矛盾した行動である。

年齢に関係なく矛盾を認めるほうが、みんなハッピーということだ。

 

追記。

つまるところ、どんなに理不尽な人であっても、まず先に許してしまえばいい。

理不尽な相手に、直接届けなくてもよいという矛盾を実感しよう。

それだけで、優しくなれるから。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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