「管理会計・FP&A・財務モデリング・MQ会計…といったように、会計にまつわるデータ分析の用語がバラバラなのはなぜですか?」
一般論から言うと、会計のデータ分析とはすなわち管理会計であると思っておいて差し支えない。
その上で、カバーする範囲に応じた方言があり、呼び名が異なるのである。
管理会計における現実の一分野に、解像度が高く毎月分析を行うFP&Aがあり、解像度を下げてExcel等で表現する財務モデリングがあるということだ。
このほか、MQ会計という言葉が一部で用いられるが、これはMargin(粗利)とQuantity(数量)を用いた会計の分析という意味の様子だ(マネジメントゲームという経営戦略を学ぶセミナーから来たものらしい)。
MQ会計では「価格(Price)×数量(Quantity)=売上(PQ)」に始まり、「売上(PQ)−変動費(VQ: Variable Cost)=粗利(MQ: Margin)」と「粗利(MQ)−固定費(F: Fixed Cost)=経常利益(G: Gain)」とを、数量を中心に表現していくとのことである。
ここまででお気づきの方も多いと思うが、上記の数量を軸とした分解や分析はFP&Aでも財務モデリングでも、当たり前のように行うことである。
会計データ分析の本質は既に、一般的な管理会計(FP&Aや財務モデリング)が担っているという事実がある。
更に一般論を重ねると、販売数量の予測ができれば、その分析は一般的なマーケティングに化ける。
現実解。
概念がわかりづらいと感じる場合に、言い方含めシンプルに組み換えるのは一つの立派な手法だ。
とはいえシンプルな理解は、一般論とリンクし、適切に周辺知識をカバーするためにあるのもまた事実だが。
追記。
このバラつきは「どちらも大事」という、珍しいケースかもしれない。
boxcox.net、遠藤武。