事業立ち上げの勝ち方は、その人の立場や状況によって、真っ向から異なる。

daily11 スモール分析。

事業の立ち上げは、その人の立場や状況によって、勝ち筋が異なってくる。

・一定水準以上の経歴や職歴や知的背景を揃えているなら、情熱をベースにする。

・経歴や職歴や知的背景のいずれか1つでもイマイチ(あるいは何かに困ったとき)なら、その場でコバンザメをベースにする。

これを守っておくと、一気に勝ちやすくなる(言うまでもなく、そこに市場があることが大前提だが)。

 

一定水準以上の経歴や職歴や知的背景とは、

毛並みがよく、研究職や専門職がつとまるポジションのことだ。

そのまま経営者まで軽々とつとまってしまう、ニッチな人材である。

このようなケースは、往々にして理屈っぽくなりがちのため、

真逆を取り、一刻も早く情熱的な目線を重視するといい。

理屈っぽさが薄まってチャーミングになり、愛される。

 

これと対照的な、サラリーマン的な立場や、

営業会社の立場や、一人親方の立場など、

上記のニッチな人材の要件にピンとこない場合は、

変に情熱ばかりが先行してしまうと、怪しい人になる。

それよりは、かえって既存の理屈を徹底回収するコバンザメのほうがいい。

理屈と情熱を掛け算できて敬意を集め、愛される。

 

というのも、独立している人や経営者でうまくいっていない人を見ると、

理屈を出すべきところで不用意に情熱が出たり、

情熱が出るべきところで不用意に理屈っぽくなったりと、

自分からレベルを下げて嫌われてしまうケースが多々あるのだ。

往々にして、このような場合、市場の声がまったく捉えきれていないケースが多い。

 

変に素人の常識で判断してしまい、

「あの大手企業と取引があるんですね!」

という称賛の声が、規模に比べて先行する場合は要注意だ。

内実が下請けで成長しないケースが多々あり、

そのように称賛の声をかける人も小粒である可能性が極めて高い。

また学歴や難関国家資格があっても、パッと見のビッグネームに対して、

中身を見ずに「凄い!」と言ってしまうケースがかなりある。

 

一定水準を超えた品質の独自商材があり、

かつ明確なカスタマーサクセスと市場規模込みで、

ビッグネーム顧客がいることを「凄い!」と評するならいいのだが、

その域に達している企業は、上位1%よりもさらに少数派だ。

この判断がつくのは、小さくとも数十億円や数百億円規模の事業や投資案件に関わってきた人くらいだ。

とすると、スタート地点でとてもニッチな競技だと判断する必要がある。

 

例えば士業の場合、

いわゆる4大ローファームではなく、町の事務所しか知らない弁護士であれば、

この規模に関わるケースが少ないため判断がつかない。

これに加えて、独自のサービスやカスタマーサクセスを用意するのが難しいほかの士業は、推して知るべしである。

また言わずもがな、

経営者だろうとそうでなかろうと、スケール感の大きさがわかるというスキルは、

数が限られたニッチ分野であり、なおさら中身を判断出来ない。

そういう場合は、不用意に自分で判断するのではなく、

自分が勝てそう・ピンと来る…という切り口を、

そのままコバンザメで「まねっこまねまね」してしまったほうがいい。

 

 

現実解。

要は事実に即して、勝ちやすいことをやっていくということだ。

自分から情熱を出す割に勝てないのは、正直に言うと痛々しいけど、

淡々と勝っていると、ただそれだけで情熱を秘めているように見える。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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