「遠藤さんはCFOをどこかで目指していたことがあるのですか?」
FP&Aを軸の1つとしているため、そう聞かれることがある。
一番上は常に意識していたが、
その下にいるCFOもCMOもCIOも、
一度たりとも目指したことはない。
これは何が良いか否かという是非論の話ではなく、
純粋に「自分でプロダクトを作ってプログラミングのコードを書いて売った経験」からきている。
フルタイムで働く前の大学生のときにIT分野でリサーチアナリストという仕事に関わり、
卒業直後に自分もリサーチアナリストとしてポストを得て、
統計学を片手に財務モデリングを駆使しつつ、
プロダクトを作った背景があるためだ。
いちどプロダクトを作ってしまうと、
一番の価値はプロダクトから来ると気づける。
プロダクトを作る立場が一番上なのだ。
とはいえ、それだけだと限界もあるとわかっていた。
リサーチアナリストでありながら、
リサーチアナリストの領域を超えて、
「自分で研究した統計モデルがそのまま新規事業としてあっさり売れた経験」
「洞察による業界誌の連載経験や、日経新聞や時事通信からのインタビュー経験」
という、濃く刺激的な経験を20代そこらでしてしまった。
「こりゃまずい…もっともっと遠回りしなくちゃ…」
「テクノロジーと統計学の背景はすごく役立つぞ!」
と直感した。
「足りないものを埋めれば勝てる」
「足りないままだと勝てない」
と言い換えられる。
テクノロジーと統計学の一環として、SCMやFP&Aに関わって行ったのは、そのためだ。
そうこう動いてキャリアを重ねるうちに、
「CxOになっても、40代50代60代と我慢しなくてはいけないのか…プロダクト構築も執筆もしないできないのか…」
「プロダクト構築も組織全体のマネジメントも経験したから、もういいかな」
と色々な人を見て実感し、ゼロ立ち上げした外資企業の急成長をリードし見届けたあと、
持ちきれないものや不要なものは全て手放して、独立した。
そもそもだが、一つの分野にこだわったことは一度もない。
これなら「勝てる!」という土俵に常にこだわっていただけだ。
すごく素朴に、幼少期から触れていたテクノロジー分野と、
リサーチや統計学の組み合わせが「まるで研究とゲームの融合だ!」と直感し、
大学生の後半に、100%好奇心で動けたことが全ての始まりだった。
結果として、
一番最初にやっていたことの完全上位互換を手にしながら、
おかげさまで突出して成長を続けている。
現実解。
迷ったら、「これならいける!」という好奇心を取ろう。
本音の好奇心で動くと、まだ誰も見たことのない物に、
ついついなってしまうから。
boxcox.net、遠藤武。