不動産は、船舶や航空機と同じ分野である。
所得税法第二十六条を見ると、
不動産所得として、
「船舶又は航空機の貸付けによる所得」
が規定されている。
「あれ?船舶や航空機って不動産なの?」
と思うかもしれないが、
お値段がそうとう高く、
船舶登記や航空機登録が必要なため、
不動産に近い性質を持っている。
海運・造船分野のアナリスト時代、
ヘドニック法とDCF法で投資価値評価モデルを作り、
デューデリジェンスのサービスを立ち上げたが、
最も「すごい!」と衝撃を受けた事実が、
この所得の分類だった。
街で見かけるビルやマンションや一軒家と、
何十億円や何百億円もかけて作る海と空の乗り物が、
同じ仕組みで扱われるのは、
ちょっとどころじゃなく、
かなり直感に反するよね。
確かにルールの上では、
国土交通省のカバー範囲だから、
所得税法の上でも同じ枠組みであり、
統計手法でもファイナンスでも同様なのは、
論理的にはルールとして腹落ちできるけども、
直感的には「建物」と「乗り物」は別だものね。
現実解。
「遠藤さん、なんで不動産もわかるんですか??」
と不思議に思って聞かれるれることが多々あるけれど、
1隻で時価20億円〜200億円の船舶を、
手法を開発してコンスタントに時価評価していると、
似ている物事や分野について、
見通しが立てやすくなるだけです。
追記。
もっと言えば、価値評価であり、
かつ品質管理手法でもあるから、
製造業でもITでも、同じ発想で見通しが立てられる。
解像度を下げて、大枠を捉えていくと、
知見の拡大も深掘りも自在にできます。
boxcox.net、遠藤武。