政治や政策の分析についての目線。

daily11 スモール分析。

「遠藤さんは、政治や政策についての分析はどう考えていますか?教科書的な知識として、統計学や費用対効果の話題や、行政・財政の改革、統計不正や政治不信といった要素まで関わるので、どう捉えているのか気になりました。」

 

まず、私は以下の(ともすれば極端な)目線を持っていることを断っておきます。

政治や行政や政策は、模範解答や常識的な解釈、ないし決定的な事件や騒乱、あるいはロビー活動や水面化の活動で動くため、データ分析的にはあくまで予測の材料のひとつでしかありません。

また投資対効果の目線で見れば、社会のインフラ(ないし必要悪)として、社会が雇って活用する道具でもあります。

要は、政治や行政やインフラ固有の話題は複数あれど、本質的にはマクロ(巨視的)に見ればサラリーマン組織と大きく変わらないという認識です。

 

その一方、突出して活躍した人が急に社会に影響を及ぼし、政治や政策までリーチしていくケースもあります。

ミクロから突出して、マクロに影響を及ぼすのです。

そんな活躍について、自作自演することがマーケティングとして行われるなど多々あるので、やたら露出して分不相応に政治語りする人を警戒する必要がありますが、

根本的には「表面を分析するのではなく、本音の妄想で行動して突出すること」が本質である点には、変わりありません。

 

その前提で見ていくと、半端に主語の大きい分析をしたところで、常識で終わってしまうとわかります。

単に各国間で出てきたデータを並べ立てても、それは本当の意味で本音が反映しているかわからないデータだと気づいておく必要があります。

例えば、各国の幸福度をGDPと見比べるようなケースだと、データの内容も分析の妥当性も乏しく、理路整然とヘンテコな解釈に終わり、「分析のための分析中毒」というお粗末な状況に終わることなど多々あります。

本当に政策の分析をするのであれば、法学や行政学や社会工学や土木計画論という道具を知って学んで使うほうが妥当です。

(そして本当にリーダーシップを発揮するのであれば、政治家や活動家や事業家になるのでも、ちゃんと学んでブログやSNSで行動していうほうが妥当です。)

分析というのは、本来は先行研究を見ていく必要があり、かつ本当にその分析やデータに意味があるか丁寧かつしつこく問うていく必要があります。

この問いや丁寧さやしつこさがないのに、そして政治的にケアが必要な階層でもないのに、無駄に政治語りをするというは、そもそも「政治的なケアが必要な層をどこかに誘導しようとしているのでは?」「その人にとって有利なロビー活動では?」という疑いを持つくらいでいいのではないでしょうか。

要は、情報の発し手がどんな立ち位置やどんな知見を持っていて、どんな交友関係があるかを、つぶさに見ていく必要があるのです。

人をベースとした分析です。

 

自分の場合、幸か不幸か小学生から高校生・大学生までで、思想の保守・革新を問わず、政治や行政や政治過程に関わる人を別な分野から直接見る機会がありました。

一次情報や本音を複数回にわたって知り、後から政治学や行政学を知って「なるほど」と腹落ちした経験から、人をベースとした目線の分析がどれほど重要かを痛感しています。

政治という現象を総体的に捉えようとするよりも、政治に関わる人や政治語りをする人が何を考えているかという目線を持つ方が、実のところ生々しく分析できるのではないでしょうか。

 

現実解。

結局は、人をどう見ていくかという分析に行き着きます。

組織も政治も、結局は人の思惑で動きますし、政治語りする人の真意や本音が必ずどこかにあるはずです。

「その人がどう動くと、どのように有利になるか?」という本音を、まず見定めてはどうでしょうか。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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