最初に必ず、小さく失敗しておくといい。
迷路で間違ったルートを通るとか、テスト対策でケアレスミスをするとかのように、
「これは失敗だったな」と冷静に見つめられるレベルが、小さな失敗である。
勝ちパターンは、ここからしか出てこない。
生々しい話だが、ビジネスを進めていると、
「独自サービスを出しているんです、社長以外にぜんぜん契約がとれないんですよね…」
という零細企業の声を多々聞く。
それは営業依存や個人依存であって「お客様の成功」が甘いと断言していい。
お客様の成功を軸にしていくということは、
「お客様の成功が出るケースはどんな方か」
「お客様の成功が出ないケースはどんな方か」
を明確にして、お困りごとに誘引される数が増えるように持ち込むのだ。
更にあけすけに言うと、
成功が出ないケースのペルソナの方とは極力面談せず、
成功が出るケースのペルソナの方とだけ面談し、
そのためにもターゲットとなるお客様の特徴をセットしておくのである。
要は、思いや価値観という、自社や自分の特徴をお客様と合わせるのであって、
見込み顧客となる企業の売上高や従業員数という相手の特徴で切り分けて、フィルタをかけるのだ。
このフィルタリングが「成約に必須な行動」とわかっていない状態でなんとなく行動したり、
フィルタリングの条件が甘い状態だと、成約しない。
その真逆で、バッサリ切って見込み顧客を選抜した上で面談するほうが、
あっさり売れて顧客になってしまい、LTVも高くなるというケースが多々起こる。
ビジネスでは、このようなケースを体感的に知る上で、
「ターゲットミスをしたらどうなるか」
「ターゲットにしていい人(ダメな人)はどんな人か」
「ターゲットとしてグレーであり判断に悩む場合は全部切るべきか(それとも「グレーな相手」の対応パターンを明確にするべきか)」
という事実をありのまま、ちゃんと体感させる。
実のところ、初期段階で小さな失敗をしてこれを知っていれば、
あとあとで困ることはないのである。
現実解。
勝ちパターンをつくって横展開を狙うには、先に小さく失敗しておく。
「なるほど、こうすればいいのだな」という免疫をつけられる経験は、どんな戦略にも増して大きい。
勝つための基礎知識や基礎学力はとても重要だが、
それらをクリアしていてやる気もある場合、体感的に判断・決断するという戦略的な仕組みが重要なのである。
追記。
わざわざ「小さな失敗」と書いているのは、負けグセをつけないという意味だ。
負けグセがついてしまっていると、抜け出すのに時間がかかるか、下に逃げるしかなくなる。
ボックスコックスネット、遠藤武。