決断は、自分の今までがモロに出る。
自分の成長のために決断する人は即決し、
成長という軸がない人は決断を他人に委ねてしまう。
信じがたいことかもしれないが、
スタッフを複数雇う会社の経営者であっても、
全社を根本から改革するための提案について、
「スタッフたちに相談します」
「番頭さんとそれ以下に相談します」
と言い出す人が一定数あり、私もそのような経営者を複数知っている。
率直に言って、これは本音の決断から逃げているだけだ。
決断を多数決で済ませてしまう経営者は、
全てにおいてサラリーマンより劣っている。
というのも、経営者やフリーランサーは、
本音を余すところなく丸出しにして、
素早い決断を愚直に繰り返し、
道なき道を創って成長していく以外に道はないためだ。
サラリーマンは、組織から逃げられないから、
どうしても本音を出し切ることができない我慢の要素を、
ロジカルシンキングや経営理念や研修や学歴で無理やり本音の欠如をカバーするのである。
他方、経営者やフリーランサーは、本音丸出しでなければ成長しないし、そもそも成長のためのビジョンが出てこない。
ということは、本音で我慢や妥協をするというのは、成長を止めることであり、衰退し死ぬことを意味する。
独立してビジネスをするとは、つつみ隠さず言えば、本音のホームラン競争だ。
経営者の醜いコンプレックスや我欲だけまるまる反映してしまうと、頑固なブラック企業が生まれてしまうが、
自分の心を素直に持ち、掌(たなごころ)を開いて学べば、信じられないレベルで成長する企業が生まれる。
最初に出した例を挙げれば、サラリーマンでしかないマネージャーやスタッフの声を聞いてから改革するというのは、
確実に猛反対されて終わるだけだ。
停滞した会社に勤めるサラリーマンの本音とは、ルーチンをこなして月給をもらえればそれで良く、
はっきり言って向上心や危機感など、全くのゼロであり、自走などしようがない。
経営者が自社のスタッフと同じ目線でスタッフに意思決定を相談するということ自体、
そもそもがありえないことであり、リーダーにもかかわらずリーダーシップがゼロだ。
ということは、スタッフから100%舐められてしまい、自社の内部関係が悪化に追い込まれて自滅するだけである。
決断ができないとは、リーダーにとっては最大の犯罪であり、一番の成長の阻害要因だ。
もしリーダーシップを発揮する立場で、孤独に決断を下すことができないなら、リーダーを辞める以外にない。
遅かれ早かれ、そのような組織はある日を境にプッツリと消えてしまうのだが。
今日のデイリーレポートを読んだ人で、「決断できないって、自分のことだ…」とぎくりと感じる人は、100%救いがある。
我ごととして耳の痛いことに気づけるというだけで、心の成長痛を素直に受け止めているためだ。
先んじて「こりゃマズい!」という思いに率先して手を打って決断できれば、
決断できない人の淘汰と引き換えに、決断した人の生存率も成長率も上がって行く。
本当に決断できない人は、そもそもデイリーレポートも本も読まないからこそ、成長するチャンスはあちこちにあるんだよね。
boxcox.net、遠藤武。