「ロジカルシンキングが大事!」「論理的思考が大事!」
そのように叫ばれて久しいが、ひとつ注意しておこう。
ロジカルな発想だけだと、大多数にとって「出来の悪い小物」になる道を歩むことになる。
根本的に言えば、ロジカルに考えるとは、
自分の思い込みやわがままを仕組み化して世に広げることである。
常識的な教科書通りの論理の踏襲は大事ではあるが、
教科書を離れたら応用問題に挑戦したり、あるいは自分で問題提起して自由に解いていくことになる。
一般的に言えば、研究もビジネスもその発想で動いている。
少し解像度を上げて言うと、
実力者や権力者や主権者の思惑を論理づけして世の中は動いており、
科学も社会も文化もそのように発展してきている。
それだけダイナミックなものを動かす梃子(てこ)が、ロジカルに考えることなのである。
一方、論理的にもっともらしく自分の感想だけ述べるその他大勢が、揃いも揃ってヘナチョコなのは何故か。
その理由はシンプルで、目先の既成概念にしか目が向かず、疑わないためである。
いわゆる「B層」という分類があるが、それと全く同じで、基礎学力もリテラシーもないのだ。
更に言っておくと、学歴や知的背景があっても「B層」のような何も疑わない既成概念踏襲人間になることも多々ある。
ストレートに言うとこれは「負けグセ」であり、ついつい現状維持を重ね、教科書を離れた応用にも、疑いを持つ問題提起にも、行き着かなくなってしまったのである。
例えばデータ分析分野には「ビジネスサイド(主に営業や総務)がああ言ってて無理だな…データ分析って報われないな…」と諦める、悪魔のささやきがある。
これは権限が不足していることで起こる現象だが、組織とは企業ごとに経営者が割り振った権限で動いているという基礎知識がないのである。
ゆえに何の疑いも持たない従順な「人力BIツール」のまま、ついついこのような悪魔のささやきに逃げてしまうのである。
具体的には、FP&Aという概念を知っていれば、権限が強く「疑う」ことも仕事のうちのため、悪魔のささやきとはいっさい無縁なのだが。
現実解。
異なる切り口から照らし、非常識と思うくらいの疑いを持つ。
そんな梃子(てこ)をつくるためにこそ論理を用いることが本筋だよ。
常識踏襲だと、嫌な思いばかりで退屈でしょ?
ボックスコックスネット、遠藤武。