中央経済社note(連載第10回ここだけ話):異分子であれ!はコモディティ化回避策。

daily13 事実の直視。データ分析ここだけ話。

しばらく前に、キャリアに関する記事のタイトルで「異分子であれ!」と書いた。

データ分析キャリア論:異分子であれ!FP&A・CFO単独のキャリアは、もはや限界!?|【連載】データ分析のログハウス(第10回)|中央経済社Digital
こんにちは。中央経済社「旬刊経理情報」編集部です。 本誌では「『データ分析の森』ガイドマップ」を連載中。DXやリスキリングなどで注目される「データ分析」について、その具体的な中身や取り組み方などをやさしく丁寧に解説していただいています。 こ...

これを生々しく言えば「異分子でないなら、コモディティにならざるを得ない」である。

 

例えばベンチャーのCFOは、普通にやるだけだと「資金調達と資金繰り」で終わってしまい、異分子であることが許されない。

その場合、CFOは売上予測や事業のグロースという、泥臭くも本質的である要素に関わることが難しくなる。

ベンチャーのCFOの経歴で「IBD出身のみ」あるいは「戦略コンサル出身のみ」という場合、FP&Aの事業づくりや組織づくりという泥臭い部分が経験できないことになる。

資金調達ラウンドを4〜5回重ねて、もうじき上場…という場合こそ、こんなケースは多い。

その根本的な理由を言うと、CxOを増やす分業体制を敷いているためだ。

マーケティング統括のCMO(あるいは売上統括のCRO=Chief Revenue Officer含む)がいる場合や、人事統括のCHROがいる場合が急増するのである。

そうなると、全体を統括し、あらゆるリソースを活用した組織作りへの関与…が極めて難しくなってしまう。

資金調達に意味がないとは言わないが、全体を統括するという目線が得づらくなってしまうのは、言うまでもない。

組織の仕組みという観点では正しいものの、個人の成長という観点からは、少し残念であるのだが。

 

私はこれに気づいて「権限が分散したCxOよりも、強権を持つFP&Aのほうがエキサイティングかもしれない…」と感じていたことがある。

事業全体を仕組みとデータで統括するという場合、FP&Aのほうが独任的に「小さいワンマンCEO」として、異分子であることが許されるためだ。

組織とは権限の持たせ方で全て決まり、権限のない立場はコモディティになってしまう。

データ分析についてこれを繰り返し述べてきているが、分業化したCxOについてもコモディティ要素が生じてしまうと言える。

 

現実解。

異分子であることが許される環境のほうが、急成長できるまでが事実である。

コモディティ化を避けて自分のチカラをつけたいなら、その企業のキャラクターを見て、権限を強く与えてくれるFP&Aで挑戦するといい。

ボックスコックスネット、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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