「データ分析分野について、遠藤さんは繰り返し記事執筆やデイリーレポートでの言及をしていますが、ぶっちゃけデータ分析の年収や待遇はどれくらいなのですか?他のポジションに比べて有利ですか?」
データ分析分野の年収をストレートに挙げてしまうと、統計学か管理会計のどちらか1つだけの場合であっても、どんなに低くとも年収500〜600万円には達する。
もし統計学か管理会計のいずれかを使えるのに、この年収に達しないなら、そもそも所属先が暴利をむさぼっているか、こぢんまりして儲かっていないかの二択を疑う。
これはいち従業員では解決できない問題があるので、データ分析を武器にするならさっさと次に進もう。
統計的な分析の素養と管理会計が混ざり、英語が出来る側だと、FP&Aとして活躍できる。
FP&Aであれば、どんなに低くとも年収600〜800万円には達する。
組織や分野によっては、あっさり年収1000万円を超える。
この上位として、
FP&Aのマネージャーやディレクターの場合だと、年収1200〜1500万円には達する。
外資企業であれば必ずあるポジションなので、マーケティングやアナリティクスよりも、汎用性が高い。
また、コンサル出身者には踏み込みづらい分野のため、希少価値も高い。
年収2000〜3000万円やそれ以上となると、ディレクターやマネージングディレクターから、
あるいはカントリーマネージャーやCFOに近くなり、ポジション数も少なく、幾らか年功序列的要素も加わり、ハードルが上がってしまう。
もちろん希少価値が高いのでポジションが無くはないが、数が限られて自由に選べない・自由に動けない、所属先の体制が変わるなどのリスクが高まり、トータルで見たときの待遇に幾らか疑問が残る。
現実解。
概ね1200〜1500万円が、データ分析分野である程度安定的に過ごせる年収や待遇と言っていい。
この水準に差し掛かると、「出世」の意味がサラリーマンだけにとどまらなくなり、独立することとの比較になる点に留意しておこう。
「独立なんてとても……」と遠慮するのは簡単だが、これくらいになると、
スキルや立ち位置が「役不足」になるくらい、ポジションに窮屈になる。
強い側は常にそういうものだと覚えておくと、進み方が見えてくる。
boxcox.net、遠藤武。