もう気づかれているから、書いてしまおう。
SNSでいくら騒がれても、結局は最終的にリアルでの実力がないなら何にもならない。
SNS「だけ」では、けっきょく中身は得られないためである。
「高学歴」を自称するSNSアカウントで、動画を配信して得られる価値が、学歴や職歴より低いことを嘆いているのを見かけた。
細かく見ていくと、共通テストで6教科、二次試験で4教科5科目の対策をした、難関大合格の価値を「言うほどでもない」と断じる声があるということだ。
そもそもだが、これは元々の答えが出ている。
学歴と職歴は、常にセットであるから、個別で見ても無駄だ。
「ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)」という発想からすれば、学歴と職歴を切り離すのはナンセンスであり、全くの悪手だと言わざるを得ない。
ゴーイングコンサーンとは、事業が継続的に収益が得られるという意味であり、会計学や経営学の基礎知識である。
つまり、普段の活動には必ず継続性があるということで、断絶しているという前提がおかしいのである。
今配信で収益が得られていようとも、それが続く可能性などどこにもない。
一頃前に「プロブロガー」という名前のアフィリエイターがSNS上で流行ったが、見事に消えていった。
消えていった層の共通点として、見事なまでに「大学の学歴は意味がなかった」とか、
「就活も就職先も微妙だった」と恨みつらみを吐いていた特徴が挙げられる。
これは結局は自分の実力や見極めの不足であり、「学歴と職歴が連なっている」という本質を見誤っていただけである。
一方で、学歴の続きで職歴で紡ぎ出せる価値は青天井であり、コンテンツを作り続けられる。
そもそも配信の価値は、あくまで媒体となる配信サイトを介したものでしかない。
媒体とはメディアのことである。
その最も古典的なものは執筆(出版)である。
ちゃんと大学で学んでいた人で、この重みや凄さに気づいたことはあるだろうか。
大学で鍛える内容とは、アカデミックスキルであり、理系文系問わず全分野で文献を読み、そこから執筆やプレゼンを行う能力である。
このアカデミックスキルに根差した教養と専門があるなら、まともな文章がかけるため、職歴と掛け算した執筆やコンテンツ作成のハードルは極めて低い。
ここだけの話をしてしまうと、高卒以上の学力でまともな職歴が2〜3年あれば、「論文の書き方」を本や動画で学び、アカデミックスキルを後付けすることはさほど難しくはない。
もちろん、文章力など頭の良い人や編集者にアウトソーシングしてもいい。
そう捉え直せば、SNSという断片ではない世の中にこそ、リアルなチャンスが溢れていると思えないだろうか。
現実解。
職歴の知見を持っていれば、わざわざ配信者と比較するまでもなく、プロとしてコンテンツを作ることなど容易い。
もちろん色々な分野があるから、SNSや配信含めて勝てるポイントを探し、プロとして淡々と頭角を表すことが大事だが、SNSや配信が全てではない。
ありものをプラスに見ていくと、本当にSNSや配信オンリーが有利かどうかなど、実のところ全くわからない。
水物でありゴーイングコンサーンのないSNSに比べると、ハードルが低い割に格式が高く、息が長いものは結構多い。
ボックスコックスネット、遠藤武。