「仕事がつまらない」という悩みは、古今東西の悩みである。
この悩みは「作り手」になることで解消していく。
というのも、作る側になると意識していれば、作るためのネタは悩みから始まり、悩みなどほとんど許せるためだ。
ストレートに言うが、サラリーマンとしての悩みは、召使いとしての悩みだ(独立したが「下請け」どまりの場合も同じである)。
これは「割り当てられた範囲を、誰がどうやって耕すか」に行き着く。
上司の性格が悪いのも、部下のやる気がないのも、「割り当てられた範囲」の成果の取り合いなのである。
せせこましい範囲で取り合いしていると、もともと仕事ができる人まで、せせこましくなってしまうのだ。
いっぽう、「作り手」目線がある場合、その人はどう行動するか。
自分が自分の人生の主役であるから、せせこましい空間など、さっさと辞めて去ってしまうのだ。
かくいう私も「嫌になったらやめられる立場」「にも関わらず成長していく立場」という、
「作り手」側になりたいという発想を持っていた。
そのために、10年はストックと下ごしらえが必要だと、読書で気づいていた。
一流の下限となる実力が自分にストックできる大学選びに始まり、
執筆できる実力や、お金と時間がある立場や、規模感や格式を先回りして知り、
かつ数学やテクノロジーを使える立場を死守できるように、腹決めして動いてた。
結果としてリサーチアナリストに行き着き、そこで使える知見を余すところなく用いて、作り手になったのである。
今だからこそ書いてしまうと、
リサーチアナリストになった瞬間に、
「これで嫌になったらいつでもやめられる!作り手として成長できる!」
と、たったひとりで小躍りしていた。
価値の仕組みを明らかにする統計解析を行い、
キャッシュ・フローのモデリングを作り、
それらの技術開発も新規事業として行い、
かつ日々の洞察を執筆する最初の仕事は、
とてもエキサイティングで面白かった。
面白かったあまり、
サラリーマンのキャリアそのものについても、
価値の仕組みをバラして束ねてブラッシュアップしていった。
その結果、転職活動で強みがを作れて、
大手製造業や、地位と待遇の良いFP&Aに行き着き、困ることがなくなった。
(独立したのは、意識せずに手に入れたラストピースだった。)
つまるところ作り手とは「市場」や「先行研究」や「得意技」を、「欲しい!」を作る人であり、
それはお客様は言わずもがな、上司や所属先よりも高い目線を先回りして持つ人である。
壁を超えるという発想すら超えていくことが、作り手の目線なのだ。
現実解。
サラリーマン時代にイヤなことは多々あったが「作り手になる」という思いを噛み締め続けていくと、
全てが価値を作るためのネタとして、プラスに化けていった。
ほんの少しでもいいから「作り手」を心がけておくと、自ずと喜ばれて壁を超えられる。
ボックスコックスネット、遠藤武。