事業や企業の成長度合いについて、急成長がうたわれることがある。
これは出資者のいるスタートアップ「ならでは」だ。
私はゼロ立ち上げから2年ほどで年売上高40億円程度への成長を、
サラリーマン時代にリードする経験がたまたまあったが、
当事者としてこれが急成長というニッチ競技だと気づいたのは、
成長して「普通の組織」になったあとだった。
色々な人の話を聞いたり、書籍も読み漁ったが、
「ゼロから100までの秘密を大公開!」のようなケースを謳うものはあれど、
フタを開けたら10年経てどこの規模に届きすらしないケースを、
無理に「社内スタートアップ!」と言い張っているものばかりであり、
それだけ急成長はニッチな競技だと痛感した。
「スタートアップを名乗るなら5〜10年で年売上高1千億円が下限」という言も、
どこからともなく(書籍やウェブメディアでも)聞いてしまったが。
このほか、ゼロから急成長に関わった1社前に、
創業6年目で年売上高200億円超えしている企業にも属したが、
結局はスタートアップとして鼻息を荒くするより、
伸ばすコンセプト(お客様の成功)と、伸ばす体制づくりがカギだと悟った。
現実解。
オーナー企業の場合、お客様の成功を用意し、伸ばす体制を整え、
静かに淡々と伸ばすほうが、社長にとってハッピーである。
面倒だけど大事なことを、着実にハードル下げして行動しておくと、実業が完成するから。
追記。
スタートアップが「資金調達!」「急成長!」と言い張るのは、広報の一環でもあるから、ちゃんと具体的な数字をみておくこと。
私が数字を出しているのは、よくわからない個々の社名よりも、わかる記録やデータを掛け算するほうが面白いからである。
社名は直接関わっている人には伝えているけどね。
ボックスコックスネット、遠藤武。
