急成長か、じっくり成長か。

daily15 審美眼。

事業や企業の成長度合いについて、急成長がうたわれることがある。

これは出資者のいるスタートアップ「ならでは」だ。

 

私はゼロ立ち上げから2年ほどで年売上高40億円程度への成長を、

サラリーマン時代にリードする経験がたまたまあったが、

当事者としてこれが急成長というニッチ競技だと気づいたのは、

成長して「普通の組織」になったあとだった。

 

色々な人の話を聞いたり、書籍も読み漁ったが、

「ゼロから100までの秘密を大公開!」のようなケースを謳うものはあれど、

フタを開けたら10年経てそんな規模に届きすらしないケースを、

無理に「社内スタートアップ!」と言い張っているものばかりであり、

それだけ急成長はニッチな競技だと痛感した。

「スタートアップを名乗るなら5〜10年で年売上高1千億円が下限」という言も、

どこからともなく(書籍やウェブメディアでも)聞いてしまったが。

 

このほか、ゼロから急成長に関わった1社前に、

創業6年目で年売上高200億円超えしている企業にも属したが、

結局はスタートアップとして鼻息を荒くするより、

伸ばすコンセプト(お客様の成功)と、伸ばす体制づくりがカギだと悟った。

 

現実解。

オーナー企業の場合、お客様の成功を用意し、伸ばす体制を整え、

静かに淡々と伸ばすほうが、社長にとってハッピーである。

面倒だけど大事なことを、着実にハードル下げして行動しておくと、実業が完成するから。

 

追記。

スタートアップが「資金調達!」「急成長!」と言い張るのは、広報の一環でもあるから、ちゃんと具体的な数字をみておくこと。

私が数字を出しているのは、よくわからない個々の社名よりも、わかる記録やデータを掛け算するほうが面白いからである。

社名は直接関わっている人には伝えているけどね。

ボックスコックスネット、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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