企業におけるバックオフィスの失敗とは、臆さず素直に言えば「卒業も停学も退学もない教育困難校」だ。
日米の公認会計士を持っていようとも、大手日系企業や外資企業で経験があろうとも、何も自省できないレベルの低さにとどまることがある。
これは管理部門として自己管理ができない、嘘つきの状態と言っていい。
上記は、複数の大きめの企業の一次情報や、相談を受けた際に得た内容に基づいて描写している。
そもそも、ビジネスと組織の全体像さえ見据えていれば、このような強烈で陰湿な失敗は起こらない。
バックオフィスの主な仕事は、財務会計やITや人事や総務である。
これはいずれも、営業や購買や投資や業務効率化を助け、前向きな組織づくりに資するのである。
要は、売上を立ててコストを下げる効率化を行い、将来の価値を創る意思決定を行うことが、バックオフィスの全てなのである。
その基礎さえわかっていれば、正直かつのびのびとした自己管理が、自ずと実現出来る仕組みを用意すればいい。
そうではなく、ただ単に経験があるというだけで、なんとなく人に優しくない状態の組織が残ると、なんとなくが当たり前のように重なって、やる気のにルーチンワークや、やる気を削ぐ社内政治が横行し、部門トップもろとも教育困難校化する。
これは笑い事ではなく、強引に俺ルールに従わせようとする古臭い上司や、お局様化した平社員などがいれば、規模の大小問わず直ちに起こってしまうことだと肝に銘じたい。
ちょっとしたことで下に逃げるクセがついてしまい、前向きな成長余地が無くなってしまうのである。
こうなってしまうと、成長余地がある人からその組織を去っていくまでが一連の流れとなり、悪循環を引き起こす。
現実解。
単にルールに従わせるだけでは誰も動かない。
人にやさしく快適に過ごせることが、学んで成長する強力な組織づくりであり、バックオフィスの「仕組み」の本懐ということ。
..遠藤武