大学名や企業名を入れた「○○式」の謳い文句のスキルとは、
すべて「アカデミックスキル」だと言い換えられる。
アカデミックスキルとは、読んで書いて調べて議論するスキルのことだ。
現実解。
大学在学中に、アカデミックスキルを徹底して鍛えた。
「すべて英語で、論文を読んで書いて調べて議論するスキル」
を、入学直後から1年以上かけて叩き込むプログラムが存在していた。
ここで叩き込まれるスキルを、アカデミックスキルと定義しよう。
これは何も特別なものではない。
世界の有名大学で実施されている。
expository writingやacademic writingといった、
各学生に遍く施されるプログラムが相当する。
私が学んだ国際基督教大学(ICU)で実施されるプログラムの場合、
プレゼンテーションやリサーチや、ディスカッションも含めて行うため、
expository writingをいくらか拡充したものと言って、差し支えないだろう。
率直に言ってしまうと、アカデミックスキルの活用で、
仕事のスキルでは特に困ることはことはなかった。
知的生産スキルの基礎と応用が、すべてここに凝縮されていた。
もっと言えば「仕事をせずとも、仕事に必要なスキルが得られた」と断言できる。
「これが外資コンサルティング会社式のスキルだ!」
というようなタイトルの本を、大学卒業間近にかけ手当り次第読んだが、
「これって、本質はアカデミックスキルの仕事バージョンだよね」
という感想を抱き、今のスキルから仕事を逆算することが出来たのは、この時である。
事実として、世界最大手の外資コンサルティング会社の東京オフィスに、
新卒第一号で入社したのはICUの卒業生だと知っていたが、
「なるほど!アカデミックスキルは、仕事にも使えるのか!」
と、非常に納得させられた思い出がある。
仕事とは、読み書き・プレゼン・議論を通じた知的生産なのだから、
当然と言えば当然の話だけれども、
大学の勉強で、仕事をそのまま先取りできたことに、
とても感心した記憶は今でも強く残っている。
「○○大学式スキル」「外資コンサルティング会社式スキル」
はそもそも存在せず、全部「アカデミックスキル」と言い換えられてしまう。
ふとそのように気づくには、さして時間はかからなかった。
スキルに困ったら、アカデミックスキルを鍛えればいい。
いちばん古典的だからこそ、自分を新しく磨き込んでくれる。
boxcox.net、遠藤武。