ハッキングの考え方。

daily5 爽快感。

もともと英単語のハック(hack)とは、

「ぶった切る・切り刻む」とか「切り開く」という意味だ。

念のため言っておくと、コンピュータで不正を働く「クラッキング」とは明確に異なる。

 

現実解。

知恵と行動を使って物事をハックするなら、

・現状の物事を、手順化・わかる化・追記してラクをする。
・現状の物事を因数分解して、必要なことに集中する。
・現状の物事で、不要なことをぶった切ってやめてしまう。
ことが論点だと言っていい。

「現状に情報や前提を与えて組み換え、51%以上を変えて、色濃く強みを出す」ことを、ここで言うハックやハッキングだと仮定しよう。

 

仕事を例にあげれば、

オフィスで電話で応対するパターンは、

・丁寧かつ簡潔に挨拶する。
・要件を聞きとって記録する。
・電話を取り次ぐ/取り次がない。

という程度で十分だ。

必要のないことはしなくてもいい。

簡潔にして必要な物事をおさえている。

このテンプレートすらないなら、

それでハックがなりたつ。

出来ない人からすれば、

心理的にあっぷあっぷしてしまい、

無駄が多くて注意力が散漫になったり、

丁寧な表現ができなかったり、

必要の記録することができず、

取り次ぐ必要のない営業電話まで取り次いでしまう。

このたった3行すら言語化ができない人は少なくない。

だからこそ言語化が必要なのである。

まだら模様になってしまうと、

その人ならではの強さが色濃く出ない。

初心者によくあることではないだろうか。

 

更によくあることとして、電話に限ったことではないが、

手順化・わかる化は、目先の仕事が忙しすぎて、

心理的か肉体的に消耗していると、

どうがんばっても出来ないのである。

ずっと考えても、考えることに脳みそを割けないから、

インプットもできないし、アウトプットもできず、

思い浮かびようがない。

頭をつかうとはこういうことだ。

巷で言われるライフハックとは、

「がんばってもできなかったこと」を、

51%以上を変えることで、

できるようにしてしまうことだと言っていい。

要は、頑張りに頼らず、ということである。

電話の例を掘り下げれば、

電話応対をほぼすべてなくし、

スマホやチャットツールで代用してしまえばいい。

外部からの対応のみ、電話代行サービスを使ってもいい。

たったそれだけで、その人ならではの強さが、

色濃く出てくるのであるならそれでいい。

 

売上を立てることも同じだ。

ギラギラした黒光り営業マンに頼らずとも、

既存の顧客との関係性をハガキやレターで濃密にしていったり、

お互いのレベルが近く頼れる人と楽しくコラボしたりして、

共に咲くことに集中すればいいのである。

これは大規模な企業ほど、必ず数多く巧く手掛けている、他力本願である。

例えば、ヘルスケア分野のコラボが好例だ。

認知度の高い全国展開のマッサージ店舗で、

ボディピローやホットアイマスクを使ってもらえれば、

ボディピローを家に置きたくなるし、

ホットアイマスクを普段から使いたくもなるし、

更にマッサージ店舗にまた行きたくもなる。

ボディピローにギュッとしがみついて、

ホットアイマスクでじんわりと安らぎ、

マッサージを受けるとしたら、

それはお客様にとって濃密な至福のひとときではなかろうか。

お互いの強さでバランス良くカバーしあい、

額面通りの1+1=2ではなく、

つい思わず1+1=10になるような、

テーマパークのごとき発想だと言っていい。

上記は、自分が直接関わった一次情報からの実例だ。

「なるほど」と心底唸らされた仕組みとして、

徹底的に腹落ちするまで復習させてもらい活用している。

 

事業や企業しかり、学ぶことしかり、

それ以外のすべての物事しかり、

何かがうまくいかないとしたら、

実は濃密な状態を創るに至っていないのである。

ここから逆算すれば、自分に限界が見えたとき、

最もシンプルなハックの入り口に立てるんだよね。

 

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endou

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■遠藤武のやっていること■
・書籍と連載記事の執筆
・オーナー社長向け「仕組み化」プライベート指南

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◆遠藤武の連載執筆
中央経済社『旬刊経理情報』誌にて見開き2ページ連載「データ分析の森」を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています。
(2025年12月に連載80回達成)

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