もともと英単語のハック(hack)とは、
「ぶった切る・切り刻む」とか「切り開く」という意味だ。
念のため言っておくと、コンピュータで不正を働く「クラッキング」とは明確に異なる。
現実解。
知恵と行動を使って物事をハックするなら、
・現状の物事を、手順化・わかる化・追記してラクをする。
・現状の物事を因数分解して、必要なことに集中する。
・現状の物事で、不要なことをぶった切ってやめてしまう。
ことが論点だと言っていい。
「現状に情報や前提を与えて組み換え、51%以上を変えて、色濃く強みを出す」ことを、ここで言うハックやハッキングだと仮定しよう。
仕事を例にあげれば、
オフィスで電話で応対するパターンは、
・丁寧かつ簡潔に挨拶する。
・要件を聞きとって記録する。
・電話を取り次ぐ/取り次がない。
という程度で十分だ。
必要のないことはしなくてもいい。
簡潔にして必要な物事をおさえている。
このテンプレートすらないなら、
それでハックがなりたつ。
出来ない人からすれば、
心理的にあっぷあっぷしてしまい、
無駄が多くて注意力が散漫になったり、
丁寧な表現ができなかったり、
必要の記録することができず、
取り次ぐ必要のない営業電話まで取り次いでしまう。
このたった3行すら言語化ができない人は少なくない。
だからこそ言語化が必要なのである。
まだら模様になってしまうと、
その人ならではの強さが色濃く出ない。
初心者によくあることではないだろうか。
更によくあることとして、電話に限ったことではないが、
手順化・わかる化は、目先の仕事が忙しすぎて、
心理的か肉体的に消耗していると、
どうがんばっても出来ないのである。
ずっと考えても、考えることに脳みそを割けないから、
インプットもできないし、アウトプットもできず、
思い浮かびようがない。
頭をつかうとはこういうことだ。
巷で言われるライフハックとは、
「がんばってもできなかったこと」を、
51%以上を変えることで、
できるようにしてしまうことだと言っていい。
要は、頑張りに頼らず、ということである。
電話の例を掘り下げれば、
電話応対をほぼすべてなくし、
スマホやチャットツールで代用してしまえばいい。
外部からの対応のみ、電話代行サービスを使ってもいい。
たったそれだけで、その人ならではの強さが、
色濃く出てくるのであるならそれでいい。
売上を立てることも同じだ。
ギラギラした黒光り営業マンに頼らずとも、
既存の顧客との関係性をハガキやレターで濃密にしていったり、
お互いのレベルが近く頼れる人と楽しくコラボしたりして、
共に咲くことに集中すればいいのである。
これは大規模な企業ほど、必ず数多く巧く手掛けている、他力本願である。
例えば、ヘルスケア分野のコラボが好例だ。
認知度の高い全国展開のマッサージ店舗で、
ボディピローやホットアイマスクを使ってもらえれば、
ボディピローを家に置きたくなるし、
ホットアイマスクを普段から使いたくもなるし、
更にマッサージ店舗にまた行きたくもなる。
ボディピローにギュッとしがみついて、
ホットアイマスクでじんわりと安らぎ、
マッサージを受けるとしたら、
それはお客様にとって濃密な至福のひとときではなかろうか。
お互いの強さでバランス良くカバーしあい、
額面通りの1+1=2ではなく、
つい思わず1+1=10になるような、
テーマパークのごとき発想だと言っていい。
上記は、自分が直接関わった一次情報からの実例だ。
「なるほど」と心底唸らされた仕組みとして、
徹底的に腹落ちするまで復習させてもらい活用している。
事業や企業しかり、学ぶことしかり、
それ以外のすべての物事しかり、
何かがうまくいかないとしたら、
実は濃密な状態を創るに至っていないのである。
ここから逆算すれば、自分に限界が見えたとき、
最もシンプルなハックの入り口に立てるんだよね。
boxcox.net、遠藤武。