もしあなたが多くを抱えて手に負えないと感じたら、
引き算してみると同時に、割り算も試みよう。
「仕事を割り振る」という考え方で、質も取ればいい。
現実解。
多くを抱えてしまうと、
「あれもやらなければいけないし、これもやらなければ…」
という考えで、ついうっかり埋め尽くされてしまう。
引き算で余計な物事を手放したほうがいいのだが、
手放し方が見えづらいなら、割り算を使うといい。
{やる必要がある物事}を分子とし、
{自分のキャパシティ(容量)}を分母に据え、
一人あたりの割り振りにフォーカスするのである。
一般的に、
{生産性} = {生産量}/{投入資源}
と表わせる。
{生産性} = {やる必要がある物事}/{自分のキャパシティ}
と置き換えればわかりやすい。
あまりにも手に負えないのであれば、
分子にある{やる必要がある物事}を引き算して、
分母に据えた{自分のキャパシティ}を有効活用するということだ。
ここで、左辺の生産性についても切りかかっておこう。
一般的に、生産性は「人間を単純な労働者として見立てた際の割り算」だ。
要は、人間を「生産装置」とでも見立てた発想に留まっており、
「好きだからやる!」とか「嫌いだからやりたくない…」
という要素は、考慮されていない。
当然ながら「人間が好きでやること」「面白いからやること」「素直に腹落ちしてやること」であれば、
「嫌いだからやりたくない…」を避けて「好きだからやる!」という主観のブーストが掛けられる。
割り算での狙い所は、やる必要がある物事を引き算や掛け算で整頓して、
出来る限り「好きだからやる!」ブーストを得るところにある。
単に「これもやらなければ…」で、
分子の{やる必要がある物事}をただの重荷にしてしまうのは、ちょっともったいない。
分母に据えた{自分のキャパシティ}を最大限活かすには、
分子の{やる必要がある物事}を引き算したり、
掛け算の組み合わせに因数分解したりして、
最適化する必要がある。
生産性を割り算で出すことは便利な発想ではあるが、
各人の主観が分母の{自分のキャパシティ}をブーストしてくれるという効果は、
単なる割り算だけでは完全に抜け落ちてしまう。
分子を分析して、引き算と因数分解で整頓し、
人間のキャパシティを品質高く使うことが、
実はマネジメントに一番重要な発想なんだよね。
割り算は、文字通り「仕事の割り振り」ということ。
boxcox.net、遠藤武。