もしあなたが成長しないと感じたら、
足し算で止まっていて掛け算がないと疑おう。
「足し算を、掛け算で束ねる」ことで、成長をカバーすればいい。
現実解。
ビジネスなら営業や資金繰り、
勤め人なら低いままの年収、
学ぶ人なら知識不足、
これらは、足し算と引き算で留まっており、
掛け算が足りていないことで共通している。
特に、ビジネスにおける単発の営業が続いてしまい、
嫌なゴリ押しやお願いに陥ってしまうとしたら、
それは足し算の考え方のまま留まっているのである。
目先の数字や生活に追われるだけにとどまり、
今まさに取り組んでいる仕事から、
本当に果たすべき「次のToDo」が見えないのだ。
ビジネスにしても、知識にしても、人のつながりにしても、
全ては、あなたが経験した既存の物事の掛け合わせだ。
足し算で止まっている物事を、
束ねて掛け算にすると解決するのは、
文字通り物事を掛け合わせているからだ。
例えば、大阪で有名な『りくろーおじさんのチーズケーキ』を因数分解すると、
{他地域で見かけたホールケーキ}
×
{海外から上陸した焼き立てクッキー}
×
{当時のチーズケーキブームに乗る}
×
{元々作っていたどら焼きの焼印}
という掛け算が成り立つ。
{他地域で見かけたホールケーキ}や
{海外から上陸した焼き立てクッキー}を参考にしたおかげで、
単に{チーズケーキブームに乗る}という、
足し算での競争を束ねる流れを創り、
元々の「ならでは」である{どら焼きの焼印}で、
オリジナリティを出せたということだ。
東京都内で有名な『都電もなか』を因数分解すると、
1個の包装 {路面電車の1両1両をリアルに模した箱}
×
複数個の包装{都電の車庫を模した箱}
×
餡{求肥(ぎゅうひ)入りで飽きがこない味}
×
もなかの皮{昔ながらの1枚扉の車両}
という構成の掛け算であり、
鉄道ファンから都電沿線の人々まで、
都電の体験を通じて愛される「ならでは」を、
もなかの美味しさと一緒に、
掛け算で包み込んでいるということだ。
「そんなことを言っても、自分には掛け算できる価値なんてない…」
そう感じるとしたら、少し思いとどまって、視野を広げよう。
「足し算を、掛け算で束ねる」と書いた通り、
あなたに今ある既存の価値を、他の物事と掛け合わせて、
他にない物事を作ればいいのである。
事例のように、4つの物事を掛け算するにしても、
足りない物事は真似やヒントにしてしまっていい。
事例や知識を編集して束ね直してもいい。
例えば、4つの掛け算に分解したとき、
あなたが今使える項目が「医師免許だけ」「営業経験だけ」などのように、
たった1つの項目しかないのなら、
残り3つの項目は、文字通り足し算してかき集めたり、
あなたがピン!と来る他の物事と掛け算して、
4つの掛け算を作ってしまえばいいということだ。
同じ目線で話せる異分野のプロと協業しても構わない。
実例として、「経理の経験」を使って、
「管理会計」とか「英語」とか「IT」とか「マネジメント」といった要素をかき集め、
4つの項目に限らず掛け算を作って、
何度も面接を繰り返しながら足りないところを調整し、
転職先・移籍先を見つけて行くことができる。
これは実際に私が使った考え方と行動でもあるのだが、
「キャリアアップには、掛け算が重要」と複数から読んで聞いて、
たったそれだけの工夫で、年収が倍々ゲームで増えていった。
ここまで来ると、
「単に掛け算が重要だからやろう」
というレベルではもう考えられなくなり、
「もっと濃度を高めてしまおう」
という発想でついつい攻めてしまっている。
同時に、小学校で習う程度の掛け算について、
奥深さをじっくりと噛み締めずにはいられなくなった。
要は、それだけ濃度を高くする人が少ないために、
掛け算で濃度を高くすれば、あっさりチャンスが手に入るということだ。
迷ったら、「足し算を、掛け算で束ねる」ようにしてみると、
思わぬチャンスが掛け合わさって来るんだよね。
boxcox.net、遠藤武。