掛け算。

daily6 人と技術と成長。

もしあなたが成長しないと感じたら、

足し算で止まっていて掛け算がないと疑おう。

「足し算を、掛け算で束ねる」ことで、成長をカバーすればいい。

 

現実解。

ビジネスなら営業や資金繰り、

勤め人なら低いままの年収、

学ぶ人なら知識不足、

これらは、足し算と引き算で留まっており、

掛け算が足りていないことで共通している。

特に、ビジネスにおける単発の営業が続いてしまい、

嫌なゴリ押しやお願いに陥ってしまうとしたら、

それは足し算の考え方のまま留まっているのである。

目先の数字や生活に追われるだけにとどまり、

今まさに取り組んでいる仕事から、

本当に果たすべき「次のToDo」が見えないのだ。

ビジネスにしても、知識にしても、人のつながりにしても、

全ては、あなたが経験した既存の物事の掛け合わせだ。

足し算で止まっている物事を、

束ねて掛け算にすると解決するのは、

文字通り物事を掛け合わせているからだ。

 

例えば、大阪で有名な『りくろーおじさんのチーズケーキ』を因数分解すると、

{他地域で見かけたホールケーキ}
×
{海外から上陸した焼き立てクッキー}
×
{当時のチーズケーキブームに乗る}
×
{元々作っていたどら焼きの焼印}

という掛け算が成り立つ。

{他地域で見かけたホールケーキ}や

{海外から上陸した焼き立てクッキー}を参考にしたおかげで、

単に{チーズケーキブームに乗る}という、

足し算での競争を束ねる流れを創り、

元々の「ならでは」である{どら焼きの焼印}で、

オリジナリティを出せたということだ。

 

東京都内で有名な『都電もなか』を因数分解すると、

1個の包装 {路面電車の1両1両をリアルに模した箱}
×
複数個の包装{都電の車庫を模した箱}
×
餡{求肥(ぎゅうひ)入りで飽きがこない味}
×
もなかの皮{昔ながらの1枚扉の車両}

という構成の掛け算であり、

鉄道ファンから都電沿線の人々まで、

都電の体験を通じて愛される「ならでは」を、

もなかの美味しさと一緒に、

掛け算で包み込んでいるということだ。

 

「そんなことを言っても、自分には掛け算できる価値なんてない…」

そう感じるとしたら、少し思いとどまって、視野を広げよう。

「足し算を、掛け算で束ねる」と書いた通り、

あなたに今ある既存の価値を、他の物事と掛け合わせて、

他にない物事を作ればいいのである。

事例のように、4つの物事を掛け算するにしても、

足りない物事は真似やヒントにしてしまっていい。

事例や知識を編集して束ね直してもいい。

例えば、4つの掛け算に分解したとき、

あなたが今使える項目が「医師免許だけ」「営業経験だけ」などのように、

たった1つの項目しかないのなら、

残り3つの項目は、文字通り足し算してかき集めたり、

あなたがピン!と来る他の物事と掛け算して、

4つの掛け算を作ってしまえばいいということだ。

同じ目線で話せる異分野のプロと協業しても構わない。

実例として、「経理の経験」を使って、

「管理会計」とか「英語」とか「IT」とか「マネジメント」といった要素をかき集め、

4つの項目に限らず掛け算を作って、

何度も面接を繰り返しながら足りないところを調整し、

転職先・移籍先を見つけて行くことができる。

これは実際に私が使った考え方と行動でもあるのだが、

「キャリアアップには、掛け算が重要」と複数から読んで聞いて、

たったそれだけの工夫で、年収が倍々ゲームで増えていった。

ここまで来ると、

「単に掛け算が重要だからやろう」

というレベルではもう考えられなくなり、

「もっと濃度を高めてしまおう」

という発想でついつい攻めてしまっている。

同時に、小学校で習う程度の掛け算について、

奥深さをじっくりと噛み締めずにはいられなくなった。

 

要は、それだけ濃度を高くする人が少ないために、

掛け算で濃度を高くすれば、あっさりチャンスが手に入るということだ。

迷ったら、「足し算を、掛け算で束ねる」ようにしてみると、

思わぬチャンスが掛け合わさって来るんだよね。

 

boxcox.net、遠藤武。

 

 

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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詳細は上記リンクを参照
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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