相手の顔を思い浮かべながら、動く。

daily6 人と技術と成長。

仕事でもそうでなくとも、相手の顔を思い浮かべる。

そうやって行動を取ると、相手の喜ぶ情景を本気で考えることになる。

ほんのちょっとした雑用だけれど、この差は実は大きい。

 

現実解。

例えば、社内で上司、上司の上司、そのまた上司…だったり、
顧客でも役職が立場が上がれば上がったりすると、決めることが多くなる。
したがって、一般的には非常に忙しいか、「しないこと」を決めて時間を強引に作っている。

ということは、相手の時間や動線から逆算して、
効果的にコミュニケーションを取ることを狙うだけで、
相手の喜ぶ顔を思い浮かべられる。

文面を介したコミュニケーションにおいて最も効果的なのは、
相手に「ここだけ読んで、これを決めてほしい」という点のみ、誘導することだ。

私が新規事業立ち上げで提示していたレポーティングは、
財務モデリングや統計モデリングといった、データ分析の作り込みを伴うため、
時として「あれ、どこを見ておけばいいんだっけ…」という状態に陥る。

これでは、客先に面倒をかけてしまう。

そこで、極論から入った。
「他は読まなくてもいいから、この1〜3行と含まれる数字は暗記してください!」
と伝えた。
要は、相手の脳内に「メモ書き」を残しつつ、分析レポートをそのまま活用可能にしたのである。

こうすれば、仮にどうしても長くなる場合でも「サマリー(要約)の1〜3行だけ読んでほしい!」としておき、サマリーから逆算して資料やデータの全体像を配備しておけば、読み手の負担は一気に減る。

客観性・網羅性に加え、読みやすさ・使いやすさを担保した結果、客先が社内で投資案件の稟議を通しやすくなり、私はアドバイザリーとしての地位と信頼を獲得していった。

もともと、競合他社のロジックが甘いところを、統計学とファイナンスを使って、
ぶっ飛ばすために作ったアドバイザリーサービスではあったが、
「単に内容を分析してアドバイスの論点を作るだけでは、正直言って使いづらいよね」
という視点は、統計学を学ぶ中で、ふと抱いていた視点だった。
だからこそ、「客先がこれを見たらどういう顔をするか」という、
関わる人間ありきの要素に絞ったのである。
これは、仕事をする上で、ずっと頭の片隅に置いている発想だ。

相手の顔を思い浮かべながら行動するのは、それ一つだけ取ってみる程度だと、メモを一つ取る程度の雑用に過ぎない。
他方、雑用を際立たせて、仕事と掛け算すると、UX(ユーザーエクスペリエンス、顧客体験)の向上につながる。

仕事が上手くいく人とは、そのような誰でもできる小さい差を複数掛け算して、確実に「良い記憶」として残っている人なんだよね。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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