欲しい物事は、先回りして得てしまえばいい。
正確に言えば、先回りのためのシナリオを作ってしまうことにある。
そのために、自力だけを頼みにせず、他者を確実に巻き込むことが必要だ。
現実解。
あまり知られていないかもしれないが、
外資の大手コンサルティングファームは、
全ての顧客や見込み客について、
自社から営業せずに連絡が来る仕組みを用意している。
当然ながら、広告もほとんど打たない。
その仕組みとは、マスコミへの露出や寄稿だったり、
自社の実績を報告する論文だったり、
出身者とのネットワークだったりと、多岐に渡っている。
要は、組織票が前もって完成しているのである。
組織票と聞くと、選挙活動が出てくるかもしれないが、
実はこれはビジネスでも全く同じことが言える、先回りのシナリオだ。
何も外資コンサルティングファームを褒め称えたいわけではない。
そもそもこの程度の事実であれば、本に書いてある。
強調したいのは、この構造は形をいくらか変えながらも、
どんな規模の企業やビジネスに当てはまるという事実だ。
「集客する」という発想自体が、そもそもほとんどないのである。
マーケティングやCMを扱った立場からはっきり言ってしまうと、大手企業の集客は単に広告費の殴り合いであって、ほぼ出来レースである。
もし小さいところから始めるのであれば、まずは自分の圧倒的な実力で信頼と座組みを得て、
先回りして組織票を固めつつ、見込み客のデータを確保するだけでいい。
自力で出来るところを用いて他人を喜ばせ、
その上で他人にしか出来ないところについて、徹底的に協力を得るのである。
その際、単に「協力してください」とだけ言うのではなく、
「桁違いのメリットがある」ことばかりを強調するのではなく、
単に「この人と関わったら、面白さもメリットもある」という流れを、
先回りして作っておくことが重要だ。
要は、既存の繋がりだったり、新たに得られたつながりについて、
「この人は凄い!」と、敬意ベースでピン!と来てもらうために、
徹底してgiveすることが重要なのである。
これができない貧困な状態だと、そもそも原資がないために上手く行かないことになる。
仮に実力とお金がなくても、お互いに敬意がないなら、絶対に上手く行かない。
giveできるものが乏しいのなら、まずは出来ることからやっていって、
協力したい先が「本気で喜ぶ顔」を思い浮かべて、ひとつひとつ行動に移せばいい。
(喜ぶ顔を想像せず、自分の目線だけでなんとなく動いてしまうと、勝手に切られていく。)
転職でも、企業経営でも、上手く行くか行かないかは、
徹底的に先回りしてシナリオを作って、
敬意ベースの関係を作れるか否かなんだよね。
気分の良さを先回りできれば、それだけで強い。
boxcox.net、遠藤武。