先回りのシナリオ。

daily6 人と技術と成長。

欲しい物事は、先回りして得てしまえばいい。

正確に言えば、先回りのためのシナリオを作ってしまうことにある。

そのために、自力だけを頼みにせず、他者を確実に巻き込むことが必要だ。

 

現実解。

あまり知られていないかもしれないが、
外資の大手コンサルティングファームは、
全ての顧客や見込み客について、
自社から営業せずに連絡が来る仕組みを用意している。

当然ながら、広告もほとんど打たない。

その仕組みとは、マスコミへの露出や寄稿だったり、
自社の実績を報告する論文だったり、
出身者とのネットワークだったりと、多岐に渡っている。

要は、組織票が前もって完成しているのである。
組織票と聞くと、選挙活動が出てくるかもしれないが、
実はこれはビジネスでも全く同じことが言える、先回りのシナリオだ。

 

何も外資コンサルティングファームを褒め称えたいわけではない。
そもそもこの程度の事実であれば、本に書いてある。

強調したいのは、この構造は形をいくらか変えながらも、
どんな規模の企業やビジネスに当てはまるという事実だ。

「集客する」という発想自体が、そもそもほとんどないのである。
マーケティングやCMを扱った立場からはっきり言ってしまうと、大手企業の集客は単に広告費の殴り合いであって、ほぼ出来レースである。

もし小さいところから始めるのであれば、まずは自分の圧倒的な実力で信頼と座組みを得て、
先回りして組織票を固めつつ、見込み客のデータを確保するだけでいい。

自力で出来るところを用いて他人を喜ばせ、
その上で他人にしか出来ないところについて、徹底的に協力を得るのである。

その際、単に「協力してください」とだけ言うのではなく、
「桁違いのメリットがある」ことばかりを強調するのではなく、
単に「この人と関わったら、面白さもメリットもある」という流れを、
先回りして作っておくことが重要だ。

要は、既存の繋がりだったり、新たに得られたつながりについて、
「この人は凄い!」と、敬意ベースでピン!と来てもらうために、
徹底してgiveすることが重要なのである。

これができない貧困な状態だと、そもそも原資がないために上手く行かないことになる。
仮に実力とお金がなくても、お互いに敬意がないなら、絶対に上手く行かない。

giveできるものが乏しいのなら、まずは出来ることからやっていって、
協力したい先が「本気で喜ぶ顔」を思い浮かべて、ひとつひとつ行動に移せばいい。
(喜ぶ顔を想像せず、自分の目線だけでなんとなく動いてしまうと、勝手に切られていく。)

転職でも、企業経営でも、上手く行くか行かないかは、
徹底的に先回りしてシナリオを作って、
敬意ベースの関係を作れるか否かなんだよね。

気分の良さを先回りできれば、それだけで強い。

 

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endou

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■遠藤武のやっていること■
・書籍と連載記事の執筆
・オーナー社長向け「仕組み化」プライベート指南

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◆遠藤武の連載執筆
中央経済社『旬刊経理情報』誌にて見開き2ページ連載「データ分析の森」を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています。
(2025年12月に連載80回達成)

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