少数派は常識を疑い、多数派は常識に従う。
「これがウチの業界の常識だから……」
というチカラない一言に甘んじているなら、
常識など疑って、早々に捨ててしまったほうがいい。
例えば、広告業界の常識と、
IT業界の常識が異なっていたとして、
IT業界の常識を取り入れれば、
広告業界としても実りがあるとしよう。
このとき、勇気を振り絞って、
広告業界の常識を捨て去り、
成長に向けて舵を切るべきだ。
私が客先にアドバイスするときも、
客先の業界の商習慣や常識について、
一旦逆から考えて疑うことを促している。
そうでなければ、未来永劫ポジションが成長せず、
万年二軍三軍のような、
成功とは縁のない状態に、
知らず知らずのうちに追い込まれるためだ。
究極的に言うと、
赤字続きや売上不足は、
「なんとなく」常識に従ってしまい、
「なんとなく」失敗グセがついているだけなのである。
世の中とは、
この「なんとなく」について、
まるで哲学者にでも変身したかのごとく、
思い切って疑ってみることでしか、
先に進むことができない仕組みになっている。
サラリーマンが多数派なのは、
サラリーマンという常識的な仕組みがあったほうが、
多数派の人々をまとめあげるのに楽だからだ。
「経済」という言葉は「経世済民」という言葉が原典だ。
これは「世を経(おさ)めて、民を済(すく)う」という意味であり、
統治を楽にするための仕組み化なのである。
それ以上も以下もないんだよね。
あなたがサラリーマンか否かはさておいて、
経営者としてリーダーシップを発揮したり、
雇われの身であっても部下がいたり、
下っ端でもプロジェクトのキーパーソンだったりするなら、
「どうやったら、常識を疑い、物事を楽に治められるか」
という発想を持つしか無いのだ。
ストレートに言うと、これは少数派の視点だ。
仮に常識に囚われていたら、
自分が物事を楽に治めるのではなく、
名前のない誰かの思惑に自分が治められて、
知らず知らずのうちに多数派に追いやられる。
「これがウチの業界の常識だから……」
という言葉は、
主体性や当事者意識がないからこそ、
チカラなく、何となく出てくるのだ。
だからこそ、
ほんのちょっとだけ勇気を振り絞って、
チカラを出してしまえば、
前向きに常識を捨てされるんだよね。
迷ったら、たったA4用紙1枚分の壁でいいから、
破り捨てるくらいしていいんだよ。
この差は紙一重でしかないけれど、
その紙一重がものすごく大きいし、
何よりスッキリするから。
自分で思っているほど、
他人はあなたのことを見ていない。
せっかくなら見てもらえるように、
「えっ?ほんと?」
と思わず言われるような、
紙一枚だけ超えた選択肢を取って、
「実は自分もおかしいと思っていた」
のように言ってもらえるきっかけを、
自作自演したほうが、
ただ単に楽しいし、
何より継続してチカラが付くんだよね。
boxcox.net、遠藤武。