リピーターを得るビジネスは基本中の基本である。
単発に終わってしまうのであればその他大勢だ。
ここでマーケティングが重要になるわけだが、
マーケティングというと、
「文言を決めて広告を打って…」
ということばかりが先行し、
かたや今のウェブ上には広告やセールスレターの話は溢れており、
もはやマーケティングの話しは食傷気味ではないだろうか。
幸運にもサラリーマン時代にテレビCMに関わった立場としては、
「古典的にはラブレターで、今はメールやLINEで人間関係を作ることと、何ら変わらないのだな」
という、マーケティングの原理原則を腹落ちすることができた。
これ以上の視点は「どういう手段でやるか」という方法の話でしかなく、99%は無駄である。
シンプルな原理原則として言い切るケースは、
食傷気味のウェブ上やビジネス書にはほとんど存在しない。
ほとんどの人が一次情報が薄いために実力不足だからなのだが。
多数派の実力はさておき、ラブレターを贈るということは、
相手が明確にいるということであり、相手を思い遣ることが本質だ。
空気の読めない贈り方をしてしまうのは、
自分の気持ちに整理をつけるためだけでしかなく、
あっさりふられるか、ひどい場合は怪文書あつかいされて終わる。
これと同じような、
「あちゃー」なマーケティングは、
実際に少なくない。
マーケティングも相手ありきの血の通った話であり、
一方的に空気の読めないメッセージ広告を発信すれば、
「この広告元を非表示にする」をタップして、はいそれまで、である。
これはリアルな手紙や贈り物も全く変わらない。
それどころか、相手が血の通った心のある人間だからこそ、
「どうやったら気に入って喜んでもらえるかな?」
という問いを常に立てる必要がある。
嫌われてしまっては元も子もない。
この逆で、気に入ってもらえたということは、
関係が継続するということだ。
リピーターとは、継続者ということであり、
人間関係で言えばお付き合いが始まることと同じだ。
ラブレターやメールやLINEに例えるのは、
マーケティングも「そこからお付き合いが始まること」を求めている点で共通しているためだ。
何も考えずに広告を出し「全く効果がない…」と嘆く人は、
誰かれ構わず「愛してる」と伝える怪しい人と同じで、
邪魔っけだと思われちゃっているんだよね。
せっかく伝えるなら、文脈や場面を含め、的確に伝えたい。
相手の印象に残るのは、フラッシュモブでプロポーズするのと同じようなものだし、
広告で言えばどの番組でどんな内容のCMを流すかを練る必要が必ずある。
(もちろん、フラッシュモブが嫌いな人にはフラッシュモブをやる必要ゼロだけども。)
息の長い関係を作っていくなら、血の通った人間を相手にしていることを前提にしよう。
リピーター以前の話で終わってしまう人が、あまりにも多いからこそ、たったそれだけで印象に残るんだよね。
boxcox.net、遠藤武。