「fit to standard」や「要件定義をなくす」と昨今叫ばれている。
この本質は、独自サービスを作らないIT企業の、
SIer(システムインテグレーター/エスアイアー)や、
ITコンサルティング会社と呼ばれるERPシステムの導入業者が、
下請け体質を抜け出すための一歩として出て来ている話だ。
断っておくが、SIerやITコンサルは、
コンサルを自称しているものの、
いわゆる戦略や経営のコンサルタントではなく、
他社が作ったシステムの導入代行業に過ぎない。
だからポジショニングが下請けに位置してしまう。
ありがちな流れだが、
発注元企業は「金を出してるんだからこうしろ」と、
不勉強の割に頑固である。
SIerは下請け体質なので、
自社の事実を直視せず、
何も言い返してこなかった。
お互いが噛み合わず自滅しており、
もったいない不経済が生じていたのである。
「客はプロの言うことを素直に聞け」
というグリップ力がなければ、
医師も弁護士も仕事が成り立たない。
ペコペコ頭を下げるプロなど考えにくい。
このような話題は、
何もシステム導入に限った話ではない。
ポジショニングが低いことに悩む企業であれば、
全て当てはまる。
規模がどうしても大きくなりがちで、
仕事の定義が他人任せゆえに、
SIerやITコンサルのポジションが、
業界全体で上がっていくかどうかは、
ひとまず置いておこう。
いっぽう、
オーナー企業やフリーランサーについて、
ポジショニングを上げることについては、
小回りが効くからこそ、
実はポジショニング上げのハードルが低い。
うまくいかないことがある場合は、
必ず自分に有利な土俵に乗せて進める。
基本中の基本だ。
その基本をやっと踏みしめて、
四苦八苦することなく、
楽に楽しく成長できる流れは、
実はいくらでも作れるし、
思いのほか多く見かける。
現実解。
ポリシーを持つことは尊いが、
単なるこだわりはさっさと捨てていい。
自分の武器は自分で定義し、
ポジショニングを上げることが先決だよ。
boxcox.net、遠藤武。