何かを押し進めるためには、青臭さによるエネルギーが必要だ。
そうでなければ「やり尽くした」という誤解ばかりを抱き、
勝手に行き詰まってしまうからである。
仮にあなたが、特定の分野について酸いも甘いも知見を持ち合わせるなら、
それ以外の分野では、わざと初心者として失敗するといい。
未完成の青臭さが、どこかであなたの落とし物を拾ってくれる。
しかし、青臭さだけというのは勿体ない。
必死に突き進むだけでなく、平然とやってのける視点も、
青臭い渦中であっても、同時に持っておきたい。
仮にあなたが、自分を青臭いと思うのであれば、
老練な職人のように、物事の世界観の全体像と細部について、
どちらをも直ちにわしづかみできる感性とスキルを、常に仮定しておくと面白い。
「青臭い自分には、何が必要か?」
「熟練した超絶技巧を持つ人なら、さてどうするか?」
と想像し、その上で仕入れた知識や発想の助けを借りるだけでいいのだ。
現時点の状態に囚われず、想像の助けを借りると、
「黄色いクチバシ」「老獪なマエストロ」という格差ですら、
面白さを現実に向けて送り届ける材料になるんだよね。