わかりやすさ。

daily0 本音たち。

「わかりづらい話題を語ることには価値がある」
そんな発想が、昔も今もあちこちにあふれかえっている。
これは半分は正しいが、半分は大間違いである。

「わかりづらいことを、わかりやすく語る」ことにこそ価値があるのである。

複式簿記でも医療でも数学でもプログラミングでも、
特段、知的生産をしない人にとっては、
何らかの知識の習得には一定の時間がかかる。

元々の知識が系統立っており、用語の理解にも一苦労するためだ。
また、それらの知識を活かした知見の提示には、頭に汗をかく時間が必要だ。

理解することにも一定の価値はあるが、問題はその先だ。

時間を使って理解した、その先の話。
わかりづらい物事を、わかりやすく応用できる人が重宝されるのであって、
わかりづらい物事を、わかりづらくそのまま語るというのは、同語反復である。

上記とは真逆の、その先の話。
理解をしたその先で、教科書に載っていないような場面で、
「わかりづらい場面の解釈」から「決断」を導ければ、
自分も他者も満足させることができる。

前提条件を定める。知識はトラッキング可能にしておく。
これを義務教育を修了したレベルの「学びたい人」に対し、
再現可能な形で話すことが出来ないのであれば、
わかりづらいことをわかりやすく話したことにはならない。

「わかりづらい場面」を、そのままわかりづらくしか語れないのであれば、
何も発見できないどころか、何にも気づかないまま時間ばかりが経過してしまう。
こうなってしまっては、そもそも辛いだけだ。

わかりやすさにかこつけて、誰かを口当たりよく騙すことも出来る。
作者不詳の情報商材にありがちな話だ。

わかりづらさにかこつけて、誰かを張り子の虎で騙すことも出来る。
中途半端な専門家にありがちな話だ。

わかりやすく言えば、このどちらも本質は同じなんだよね。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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