経営 その86 〜 ヒエラルキー。

daily1 商い。

序列や常識に従うならば、何でも世の中はヒエラルキーで片付けられてしまう。
学歴・学校名、職歴、収入、売上高、知名度……など、変数はキリがない。

ヒエラルキーから自由であるためには、序列や常識の枠内でもまず活躍し、かつその枠外にも出ていける、
そんな「相矛盾した二面性」をモノにできる、タフな知性が大切なんだよね。

この意味。
一面的になってしまうと、自分の世界の狭さを捨てきれず、
一時期まで味方してくれた成功体験やコンプレックスが、
かえって頭打ちを招いてしまうのである。

例えば、日本語圏で圧倒的知名度のあるビジネスパーソンが高校や大学を作るとき、
アカデミックな作法やリベラルアーツを完全に無視した、
予備校だか専門学校だかよくわからない、レベルの低いシロモノが出来てしまう。
これはつまり、
「社会のヒエラルキーを一面的に活用し、中堅層向けのビジネスを展開したい」
という本音があるだけなんだよね。
タフな知性を鍛えることも、圧倒的なブランドを作ることも、本音の範囲外だ。

自分の息子や親戚を、そのような学校に送ることはほぼ皆無である時点でバレてしまうけれども。

この他の例として、テレビや新聞や雑誌といった大衆メディアの情報も、
広告や営業の都合から、このような切り口は出て来ない。
そこにあるのは、ヒエラルキーの習性を活用した、一面的な発想だ。
そうじゃなきゃ、「ぼんやりした多数に向けて売る」という仕組みは使いようがない。

一方、ここまで挙げたビジネスパーソンと、大衆メディアから情報を発信する人は、
おおよそ「相矛盾した二面性」をモノにしていることに着目しよう。

ヒエラルキーから自由であり、かつヒエラルキーの頂点を作る人たちが、
どのような強みと弱みと本音を持つかを、状況に応じて見通せたらチャンスだ。

..遠藤武

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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