お金(通貨)は、国家の信用力を形にして価値を付与した道具だ。
ここからの派生。
お金が集まるということは、その人や組織について、
「信用力が集まっている」「お金は信用力だ」
と見なす向きがある。
実は、これには大きな落とし穴がある。
お金を集める側の質が、
一切問われていないというリスクだ。
お金を集める側の質として、経営者が不勉強という、
信用力を根底から破壊する致命的なリスクがある。
一次情報から言ってしまおう。
マスコミで取り上げられるスタートアップを複数見てきたけれど、
一部を除けば、いくら売上を立てて利益を出そうと、
経営管理の質は正直言ってお世辞にも高いとは言えなかった。
悪質なケースでは、取引先や協力先に、
半ば嘘のような情報の出し方をして、
知らず知らずのうちに自分から信用力を下げていたものもある。
このような不勉強な経営者と組織にお金を払う側は、
ロクに下調べができていないため、
共倒れしかねないリスクが潜んでいる。
少なくとも、一定の歴史と規模のある企業では、
内部統制が働いているため、暴利を貪るようなことはしない。
その分、意思決定が遅いことも目立つが、
昨今の「低スピードはリスクだ」という点を、
的確に学び込んで対応しているケースも、実は少なくない。
信用力をチェックする上で最も助けになる視点。
客観的な知識や直観に照らして、
「そもそもこの経営者は、現状にあぐらをかいているか否か」
を見定めることにある。
お金をいくら集めて知名度を上げていても、
実はオピニオンが粗悪だったり、
広告にお金をばらまいていたりと、
あぐらをかいた自作自演や大声大会は、
いくらでも出来てしまう。
要は、不勉強を放置すれば、
簡単に搾取や粗悪品の広がりに、
知らず知らずのうちに加担してしまうわけである。
現実解。
最初は与信チェックリストを、
日頃から頭の片隅に置いておくだけで十分だ。
BtoBだろうと、BtoCだろうと、個人だろうと、
ウェブ上で見かける記事だろうと、
関係なく当てはめてみる。
そこから浮き彫りになった視点を、虚心坦懐に信じてみよう。
..遠藤武