経営 その3 〜 売上と営業。

daily1 商い。

売上を立てることの喜びと爽快感は、何事にも代えがたい。

自分で作った(自分が関わった)商品やサービスが売れて、
誰かの助けになるということは、ただそれだけで尊い。

そうでなく、誰かが作ったつまらないものを嫌々売らされる、
あるいは、不快になる営業を見せつけられる。
そんな営業は、誰にとっても苦痛でしかない。

営業職が新卒の学生に嫌われるのは、
何をいくらやっても迷惑がられて終わるからに過ぎない。

そこにはスキル構築の機会もなければ、喜びも爽快感もない。
それどころか、ただの迷惑行為の繰り返しである。

従業員も営業先も消耗させ、何も買ってもらえないのに、
ただ悪評を買っているのみだ。
こんなゴリ押し営業が、ビジネスを通じて幸福を作ることなどない。

コールドコールをゴリ押し営業にせず、win-winの成果を出し続けるには、
先方への徹底した需要のリサーチと、極めて丁寧な応対を繰り返すという、
ある種の際立つ知性や気配りを要する。

商品やサービスを買ってもらえず、かわりに悪評を買うような、
その程度の残念な企業には、確実に成果は見込みようがない。

そもそも、自分の強みを売り込むことは、
それが研究成果のプレゼンテーションだろうと、
転職の面接だろうと、すべては営業である。
自分の価値が認められれば嬉しいし、そうでなければ悔しい。

自分の強みを迷惑行為に転換してしまう時点で、
幸福も、嬉しさも悔しさも、
自分から完全に投げ捨てて嘘をついているのである。

こういう勘違いしたゴリ押しがあるからこそ、一般的な営業は嫌われるのだ。

ただ売るためだけに、情報や事実を歪める類のありがちな営業は、
もっと嫌われて排除・淘汰されて一向に構わない。

また、ゴリ押しという視点で見れば、SNSを使った炎上商法が嫌われることと、
知性不要で作り込まれていないコールドコールや飛び込み営業は、
実は全く同じであり、結局は知性のある人から信用されない。

一番良いのは、口コミで情報が拡散して、
自分の信用力が自ずと高まることである。

そうやって拡散すればするほど、
「実は中身がないよね」というライバルが、
勝手にチャンスを作ってくれる。

知性と分別がある人にバレるという状況とは、
そこに上位互換の機会が眠るということである。

現実解。
知性がある人がある程度の経験を積み、
商品やサービスの中身から営業を仕組み化するほうが、
実は首尾よく売上が立っていくんだよね。

営業担当者は、この事実をさっさと腹落ちさせてしまおう。

..遠藤武

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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