事務や会議ほど、企業やプロジェクトや役割によって価値がバラける仕事はない。
経理・人事・総務であれば、求められる価値がただの事務処理でしかない場合、
同じような仕事でも、恐ろしく市場価値が低くなってしまう。
これと逆に、経営の意思決定に資する場合は、とんでもなく価値が高まっていく。弁護士や公認会計士のフィーが高額であることが、そのまま当てはまる。
またシステム開発であれば、大規模な案件ほど受注金額が釣り上がる。
このとき、事務では全く付加価値を出さないような文書作成や会議に、
1人当たり1時間7,000円くらいの人件費が掛かっていく。
1ヶ月を160時間と仮定すると、月額100万円を超えることになる。
他方、全く同じ文章作成や会議であっても、中小規模のシステム開発案件であれば、1人当たり1時間2,500円くらいに人件費は縮小する。
このとき、同じく1ヶ月を160時間とすると、月額は40万円だ。
また、システム開発でない経理や総務などの事務員であれば、 1人当たり1時間2,000円くらいの人件費が相場だろう。
似たような作業について、このような価値の歪みが、企業の内部に数多く眠って放置されている。
切り口によっては、一物二価や三価が全く気づかれずに常態化しているのである。
こうなると、既存の価格にあぐらをかいたままでは、確実に値崩れで足元をすくわれかねない。
現実解。
職業選択の自由を行使して成長するには、この歪みを活用すればいい。
大多数が気づかない不思議な現象にこそ、実は価値がある。
正々堂々と知性を磨きつつ、活用してみよう。
..遠藤武