新しいことから成果を出すには、何よりスピードが命だと、
今となってはさんざん繰り返し言われ続けて来ている。
スタートアップではスピーディーに失敗して学び、
ITではアジャイル(俊敏)にソフトウェア開発を行う。
先行者利益も、スピード優先の視点だ。
ウェブサービスや、全く新しいサービスについては、
細部の品質以前にアイディア勝負であることが第一である。
一方、既存の流れの延長にある物事は、
一定以上の品質確保が当然のように必要と見られがちである。
しかし、結局はウェブサービスetcと同じく、
品質要件をスピーディに満たすことで、
他がノロノロと歩いているうちに上位互換できるのも事実だ。
ビジネスは、売り先の需要を満たすという特性がある以上、
需要を先に満たした人が勝ちというルールからは逃れられない。
パターンを2つに分けてみよう。
自分の得意技でサービスを作り込むなら、
他の人よりも早く深く広くインサイトを出して、
実行できるようにすることが成功の条件だ。
規制緩和に機会を見出してサービスを作り込むなら、
出来るだけ早く広く深く失敗して学んで、
すべてを見渡せるようにすることが成功の条件だ。
このどちらかに、上意下達があったり、
人材選びや知識不足で勝手にモタついているようでは、
状況によって押し負けるリスクがあると気づいておこう。
現実解。今回は長め。
理由付けはいらない。
何かにつけて、自分が動かない理由を探し出すのは、ただのリスクだ。
ふと「難しい」「わからない」と言い出してサイクルを止めるのであれば、これもリスクだ。
このリスクとは、
「口先でいちい理由付けするばかりで、本当はやりたくないんじゃないの?」
と言えてしまう状況だと言い換えてもいい。
発言も知識不足も、すべては成長のための機会であって、
不足の事実を以って、成長のサイクルを止める道具にする時間などない。
「難しい」「わからない」ことで失敗することは、100%正しいことであり、
「難しい」「わからない」ことで停止することは、100%間違っているということだ。
「本当はやりたくないんじゃないの?」と一切言われない、つい手が出る分野なら、サイクルを止めてしまうことなど生じ得ない。
まずは、成長のサイクルを止める言葉を一切ゼロにする。
そのように立ち振る舞える分野に注力する。
自分がどうありたいかという願望から逆算する。
負のレッテルを貼る前に、知識や先行研究を集めて、
淡々と試して100回失敗して100回ゴリゴリ学ぶ。
知識不足は、一日でも一秒でも早くなくす。
勝ち筋は、このサイクルを経て初めて見つかるんだよね。
..遠藤武