マネジメントとは、単に管理することを意味していない。
混沌としてつかみようのない状況を、時にはなだめすかし、
時にはムチを振るって、欲する結果を叩き出すことがマネジメントである。
プロジェクト単位、組織単位、ビジネス単位でこれらが求められ、
その現場では、しなやかさと知性とタフさが求められる。
対人関係については、いっそうの配慮が必要となる。
物事の理解については、大局観と粒度のバランス感覚が必須である。
コストベネフィットを十分に理解し、何が利益を出しているか、
何が利益を減らしているかを、十二分に眺め尽くせている必要がある。
一挙手一投足にしつこく口を出す上意下達は、
マネジメントではなくコントロールだ。
作業の流れをモニターして方向づけるだけであれば、
マネジメントではなくアドミニストレーションだ。
このような残念な管理をマネジメントと勘違いしているケースが多いが、
それはただただ何も理解していない人が、役割をあてがわれただけに過ぎず、
利益や付加価値への貢献は実際のところまったくのゼロである。
現実解。
ここまで眺めると、上意下達しかできない層から、
マネジメントの権限を真っ先に剥奪する必要があることは明白だ。
尤も、お金と所有権を持つだけの層が、
このような残念マネジメントを繰り返すという、
悲惨な悪循環に陥ってしまっていることも多々ある。
これは洋の東西を問わず見てきた一次情報である。
この千日手に、どう見切りをつけて、どのように離れる決断を下すか。
そのような頭の使い方にこそ、マネジメントスキルを得る機会が眠っているんだよね。
..遠藤武