独立して成長する入口は、労働時間切り売り・プロジェクト請負・相見積を全否定すること。

daily11 スモール分析。

色々と知れ渡っているので、素直に明かしてしまおう。

独立するだけなら、ギグワーカーの斡旋業者を仲介すれば、誰でもできる。

ただしその場合は、サラリーマンの代替や下請けという「なんちゃって独立」だ。

 

そうではなく、独立して成長・成功するにはポイントがあり、

「労働時間切り売り、プロジェクト単位の仕事、相見積」を完全回避する必要がある。

これを軸に、自分独自の価値を作るのだ。

 

労働時間切り売り回避について。

実のところ、一般に知的な仕事と言われるはずの仕事(医師や弁護士・外資コンサル・外資投資銀行)ですら、

本音や実情の一次情報から言うと「多忙」の一言につきてしまい、いくら報酬が高かろうと本質は時間の切り売りである。

以前、財務モデリングについて、まともな手法や知見が育っていないという実情を挙げたが、

これは外資コンサルや外資投資銀行が、いくら報酬が高額だろうと実態は時間切り売りの多忙が美徳ゆえ、

手法や知見を作ろうという知性の美徳がなく、その余裕がなく、従って本音もないのが実情なのだろうと推定する。

(本来は財務モデリングは資本主義を使いこなすためのツールであるのだが、多忙で知見が制限される実情が真であるなら、知的な仕事はどこに消えてしまうのか。この矛盾は残酷だが、実に興味深い。)

これらの仕事でなくとも、ものつくり・接客・職人技は、一般に労働時間切り売りであり、独立しているなら回避する必要がある。

 

プロジェクト単位の仕事回避について。

根本的なことを言ってしまうと、プロジェクトとは「短期間の断片的なパッチ当て代行ワーク」である。

いくら頭をつかうとされる戦略分野のコンサルティングであっても、その経営陣であるパートナーと呼ばれる役職者は、自分で資料作成をすることなどない。

まずこの事実を直視する必要がある。

この事実を直視した上で「仕事で考え抜くことが大切でしょ!」と反論があるかもしれないが、結局やっていることは断片であり、プロジェクトである以上は切れ目がある仕事だ。

しかも、おおよそ洞察など必要ない、制作代行に陥る。これは生成AIでもカバーできてしまう。

いっぽう実のところ、テクノロジーやAIやデータ分析が広まるにつれ、仕事の本筋は、人間にしかできない研究や創作にシフトしている。

また、もう複数の戦略コンサルティング会社出身者がバラしてしまっているが、「実務の価値はゼロ」とか「コモディティになるな」という言葉の通りである。

サラリーマンとしてできる実務の仕事は、ヒラ社員でも雇われ社長でも、営業事務でもコンサルでも投資銀行でも、日系でも外資でも、そもそも等しく限界があるのである。

資料作成もパッチ当て代行のプロジェクトも、少し仕組みを与えれば、誰でもできてしまうシロモノだ。

正直に告白すると「学問やアカデミックスキルで、そのような仕事はすべて爆速でカバーできる」と大学在学中から仮説を立てていた。

行政学や土木の専門書に書いてあった内容が、経営学の内容よりがっしりしており、経営学の専門書はどう贔屓目に見てもフニャフニャしていたのである。

その上で、幸運にも統計学を用いて知見を出すアナリストからキャリアをスタートしたが、これは全て正しかった。

レバレッジもロットも大きく、長期間の動き方が必要であり、かつ研究と一致する動きが求められるためである。

要はパッチワークではないし、がっしりとした土台があるため、学問と変わらない内容を重ねれば勝ててしまうのだ。

上はBtoBであるため、あなたがBtoCで内容が門外漢だという場合は「ご贔屓いただく既存顧客が切れ目なく来店する状態を想定する」ことで、プロジェクト単位の仕事を回避した状態だと伝えておこう。

 

相見積の回避について。

ここが一番の勘所かもしれない。

私は値下げ依頼や相見積が生じた場合、その商談から降りることにしている。

価値を無視し、価格しか見ない人とは、関わることができないためだ。

労働時間切り売りや、プロジェクト単位の仕事がメインという人は、常に相見積の圧力にさらされており、それはその人や組織に独自性がないためだ。

まずはその状態を本気で抜けるしかない。

私の場合、サブの仕事として、大手企業向けに洞察出しを受任することがある。

それはあくまで、メインである仕組み化との掛け算があり、かつ時間切り売りも相見積もお断りという前提がスタートラインだ。

シンプルに「欲しい!」と手を挙げてもらう仕事ではないなら、そもそもわざわざ独立してまでやる意味は薄い。

 

現実解。

いわゆるプラットフォームが巨大化していっているため、気付きにくいかもしれないが、

独立とは、自分の出す傲慢を「ハイクオリティだ!すごい!欲しい!」と世の中に受け入れてもらうことである。

そうでない要素は「なんちゃって独立」として否定していくことでしか、成長しないようにできている。

逆に言うと、これらから逆算して独自の価値を出せる人であれば、分厚いお釣り(=フリーキャッシュフロー)が積み重なるのもまた事実。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

boxcox.netを講読する
タイトルとURLをコピーしました