上司を嫌うくらいなら、上司を上回る知識と知見を身につけろ。

daily11 スモール分析。

「いちいち偉そうにしてくる上司が嫌いです…」

こんな悩みを聞くことは多い。

実のところいちいち偉そうにしてくるのではなく、あなたの知識や知見が上司より狭いから、

内容の差こそあれど、あなたをフォローをしているのが上司だと忘れてはならない。

 

そんな上司がどうしても嫌だというのなら、

さっさと上司の知識や知見など上回ってしまえばいい。

サラリーマン程度の知識など、読書を重ねれば勝てる物事ばかりである。

会計・法律・ITの知識が重要というのは、

見方を変えて素直に捉え直すと、

上司の不出来な要素を突いてカバーし、

上司にあなた抜きでは仕事ができないように持ち込めということだ。

それが果たせる際には、組織の外で放っておかれなくなる。

 

ここまでは、よくある普通の議論だ。

実際に上司より知識や知見がある状態だと、何が起こるのか。

私の一次情報から言うと、

・間違いなく上司から嫌われる(ごく一部である上位の技術者や研究者は除く)
・極めて高い確率で、今いる組織にしがみつく気など完全に失せてしまう

という二択に行き着く。

私は大学時代に読書でこれに気づいていたので、

極限まで上司から嫌われないように装って実力をつけ、

どうしても実力がはみ出したら今いる組織を出ると腹決めしていた。

 

特に、いったん統計モデリングから去り、外資のFP&Aに移ってからは、

「外資の事務全般は統計モデリングや財務モデリングよりレベルがかなり低い(シェアードサービスやBPOで丸投げできる対象である)」

「それどころか経理ですらない外資のカスタマーオペレーション部門はもっとレベルが低い(コールセンターを外注して終わりである)」

と気づいていたため、いっさい表には出さないものの、内心では完全に「外出しできてしまう格下の部門」と認識し、外資のポジションにはっきり序列があると意識していた(そうでなければ意思決定できないとも教わった)。

現に、外資企業ではこれらのポジションはノンコアなのである。

まずありえないが、まかり間違ってノンコア部門がトップに立とうものなら、優秀なコア部門は空洞化するだろう。

言わずもがな、ノンコア部門は上役含めて人材の質は目もあてられないほど低かったが、そのうち集約されてレベルの高い部門の配下になるまでが全てだった。

これが事実なのである。

 

更に、ここだけの話を掘り下げよう。

外資の事業会社というのは、良くも悪くも予期しないことが起こる。

今だから正直に告白すると、とある外資でのFP&Aの自分のポジションが、外部要因で不自然に脅かされるムダや空洞化があったが、

その場合は「権限が根本的に不要で外注できる事務やオペレーションの部門が、予算と権限を握るFP&Aを脅かしてくること自体おかしい」という立て付けを整頓しておき、

嫌になったら「こちらは全く悪くなく組織が悪いので仕方ない」という形が出せるよう、あっさり辞めても次に移れる手筈を用意していた。

そもそも、付加価値の低い存在がでしゃばること自体、データ分析というハイクラス分野にとっては最低最悪のムダであり害毒である。

とはいえ、この異常なムダの現象はムラ社会の縮図でもある。

才能の足を引っ張るのが大好きなその他大勢のヘナチョコの卑怯者がいるのと同じだ。

いくら才能があってもついついヘナチョコの卑怯者側に引っ張られるリスクなど多々あり、そこから自分に大ダメージが及ぶことがある。

特にサラリーマン組織では、データ分析ポジションとして要注意なのである。

 

現実解。

いずれも、ちゃんと知識や知見があり、ダメなものはダメだとわかれば、嫌なものを嫌と回避できることは多々ある。

そのためにも、知識と知見をつけておき、かつ知識や知見が役立つ環境に身を置こう。

 

追記。

そもそも、三流四流分野は、知識や知見よりも、時間を消費した「経験」だけが優先されがちだ。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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